スターダスト探査機、地球をスイングバイ

【2001年1月17日】

NASAの宇宙探査機「スターダスト」が1月15日、地球をスイングバイした。スイングバイとは、惑星などの重力を利用して加速と軌道変更を行なう航法のことで、重力アシスト (Gravity Assist; GA) とも呼ばれる (フライバイと呼ばれることもあるが、厳密にはフライバイとは単なる接近通過を意味する)。地球への最接近は日本時間1月15日20時20分ごろで、通過距離は地表から6,000キロメートル弱だった。今回のスイングバイにより、探査機の速度は時速3万6,000キロメートルほど加速された。

次のページで、地上からとらえられたスターダストの光跡の画像を見ることができる。

1999年2月に打ち上げられた「スターダスト」は、惑星間や彗星近辺の物質サンプルを回収し地球に送り届ける (=サンプルリターン) 初めての探査機。同探査機は、2004年2月初めにWild-2彗星に接近、彗星ダストの収集を行ない、2006年には再び地球に接近、サンプルの入ったカプセルを地表に送り届ける予定となっている。

なお、スターダストは長い間、カメラの曇りというトラブルを抱えていた。おそらく打ち上げのすぐ後に、探査機内部の温かい機器の部分で気化したガスが、冷たいカメラレンズやCCDセンサーに結露したためと考えられたため、カメラをヒーターや太陽光などを利用して暖めることにより、結露を除去しようという対策が続けられてきた。そして、今回のフライバイの前までには曇りはほぼ解消された。

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