マーズ・グローバル・サーベイヤーに技術的トラブル
【2001年1月29日 NASA JPL Mars Global Surveyor Mission Status (2001.01.25)】
1月18日にNASAの火星周回探査機「マーズ・グローバル・サーベイヤー (MGS)」の姿勢制御用の反動ホイールの1つが故障するというトラブルがあった。NASAによると、このトラブルの原因は電子回路のショートであり、ヒューズが飛んでしまったと考えられるため、故障した反動ホイールが復旧する可能性は無いという。MGSは今のところ、予備の反動ホイールを用いて平常通りに運行されているが、もし反動ホイールがもうひとつ故障した場合には、姿勢制御に小型推進器を用いる必要が生じる。反動ホイールが電力で動くのに対し、小型推進器は推進剤を消費するため、任務の続行可能期間は限られてしまう。
1996年11月にデルタ-2ロケットにより打ち上げられ、1999年4月より本格的な観測を続けてきたMGSは、1月31日をもって主任務である火星マッピングを完遂する予定。その後14か月間は科学観測を続け、将来の火星着陸ミッションでの着陸目標点候補を調査したり、季節による火星の表面の変化の観測などを行なうことになっている。さらにその後には、2003年打ち上げ、2004年1月に火星に着陸する予定の2機の火星探査ローバー (小型探査車) の着陸の際、MGSを着陸機のテレメトリー (位置情報) の中継用に用いるという案もある。