デニス・ティトー氏、ISS旅行でロシア航空宇宙庁と正式契約
【2001年1月31日 SpaceDaily / Interfax (2001.01.30)】
ロシア航空宇宙庁とアメリカの実業家デニス・ティトー氏 (60) は、国際宇宙ステーション (ISS) への宇宙旅行に関して正式に契約を結んだ。ティトー氏は、4月30日打ち上げ予定のロシアのソユーズ宇宙船に乗って、2名のロシア人宇宙飛行士と共にISSを訪れることになると見られる。飛行期間は2週間程度。
過去にはNASAのエンジニアだったこともあるデニス・ティトー氏は、国際ベンチャー企業ミールコープ社と契約し、ロシアの宇宙ステーション「ミール」に向かうことになっていた。氏が旅費としてミールコープ社に支払った金額は、2000万ドル前後と見られている。だが、2000年11月になってミールの廃棄が決まったことから、旅先をISSに変えて宇宙旅行の実現を目指していた。
ただし、ティトー氏は現在肺炎を患ってロシア軍の病院で療養中。宇宙飛行の実現のためには、早期に健康を回復させ、必要な訓練を全て終える必要がある。情報筋によるとティトー氏の回復は順調で、全快次第、訓練を再開できるという。
現在ISSには、2000年11月初めに第1次滞在クルー (現在もISS滞在中、2001年3月にシャトルで到着する第2次滞在クルーと交代予定) が乗ってきたソユーズ宇宙船が接続されている。ソユーズ宇宙船は緊急脱出用としてISSに常時接続されている必要があるが、ソユーズ宇宙船は6か月ごとに新しいものに交換する必要があり、ティトー氏が乗り組むミッションはそのソユーズの交換を主目的としたものだ。ISSには短期間しか滞在しないため、訪問ミッションと呼ばれる。ティトー氏ら3名は、地球帰還用には第1次滞在クルーが乗ってきたソユーズ宇宙船を用いる。