宇宙空間に水分子やベンゼンが見つかる
【2001年2月21日 SPACE.com / AP (2001.02.20)】
国際研究チームが、NASAのサブミリ波天文衛星SWASとヨーロッパ宇宙機間 (ESA) の赤外線宇宙天文台ISOを用いた観測により、原始星を取り巻くガス雲や死にゆく星を取り巻くガス雲に、豊富な気体の水分子や、ベンゼンなどの複雑な有機分子を検出した。2月19日、アメリカ科学振興協会の会合にて発表された。
ISOによるベンゼンの初検出は、単純な有機分子と複雑な有機分子をつなぐミッシングリンクを埋める重要な発見。ベンゼン (C6H6) は、6個の炭素原子がつながって環になり、それぞれの炭素原子に水素原子が1つずつ結合した分子で、より複雑な有機分子を作り上げる重要な部品である。
研究チームのメンバーMartin F. Kessler氏は、「この発見は、生命は宇宙のどこにでも存在し得るという可能性を大きく高めるものです。この発見は、複雑な有機化学的環境は、地球に固有なものではないことを示しています。私たちは今や、地球に似た有機化学的環境は、宇宙のどこにでも存在するということを知ったのです。」と語っている。