土星食の観測速報

【2001年10月8日 アストロアーツ(10月23日更新)】

2001.10.8未明の天文現象 土星食を楽しむ

本日、10月8日未明に北日本を中心に「土星食」を見ることができました。土星食は、土星が月に隠される現象で、日本から観測できたのは1997年10月16日以来4年ぶりのことです。北海道を除いてあいにくの曇天のところが多かったようですが、各地から観測の報告が寄せられてきました(下記リンク先参照)。

アストロアーツからは4隊が新潟県に遠征。同県の村上市と長岡市での土星食のようすは、インパクぐんまパビリオン(インパクは終了いたしました)よりインターネットライブ中継にてお伝えしました。雲に阻まれコントラストが低くなってしまったものの、土星の潜入・出現ともにそのようすをお伝えすることができたと思います。土星食のようすは編集後、ムービーにて近日中に再放送の予定です。

今年、日本から見ることができる土星食は今回と11月4日の2回。しかし、11月4日の食は昼間に起こる上に、高度も低く、ほとんどの地点で潜入は見えても出現を見ることはできないなど、条件はあまりよくありません。来年、2002年には全部で5回の土星食がありますが、日本で見ることができるのは2回となります。

8月16日未明の木星食に引き続き、今回の土星食も多くの方からの観測報告写真をお送りいただきました。ここに掲載致します。


佐野康男氏撮影の土星食

佐野康男氏撮影の土星食

佐野康男氏撮影の土星食

タイトル/土星食画像
撮影日時/2001年10月8日3時30分56秒、3時31分44秒、3時32分18秒
撮影者/ 佐野康男(名寄市木原天文台) 撮影地/北海道 北母子里
撮影機材/28cmシュミカセ、デジタルカメラ(ニコン・クールピクス)

●撮影者コメント: 土星食の撮影成功致しましたので、画像送ります。


河村俊一氏撮影の月と土星の接近 タイトル/月と土星の接近
撮影日時/2001年10月8日 3時42分51秒
撮影者/河村俊一 撮影地/大阪狭山市
撮影機材/ペンタックス製7.5cmEDHF屈折+Or12.5mm+ニコンCOOLPIX995 露出1秒 ズームはワイド側 電動追尾 ステライメージ3

●撮影者コメント: この日、東北、北海道では土星食となったが、ここ大阪では月と土星がかなり接近した。その接近は思ったより近く、わくわくするような眺めであった。両天体の光度差がかなりあるので、うまく撮ろうとあれこれ工夫を考えていたが、結局カメラ任せで素直に写した。


伊藤紀幸氏撮影の土星食 タイトル/薄雲越しに見えた土星食
撮影者/伊藤紀幸 撮影地/新潟県新潟市新潟自然科学館
撮影機材/新潟県立自然科学館 60cm カセグレン式反射望遠鏡 K-60mm SONY デジタルビデオカメラ DCR-TRV20画像にて撮影 各5〜9フレームポジット

●撮影者コメント: 今朝の土星食も撮影に挑戦しましたが薄雲に阻まれました。しかし、幾分雲が薄くなった出現時に、クレーター群の端をスライドしてながら出現してくる様子は見応えがありました。光量、コントラストともに不足の画像ですがとりあえずご報告まで。


東田守生氏撮影の月と土星の接近

東田守生氏撮影の月と土星の接近

東田守生氏撮影の月と土星の接近

撮影者/ 東田守生 撮影地/大阪府
撮影機材/ヨシカワ光器 YK-200、高橋製作所 FC-125、NIKON COOLPIX990、CASIO QV-2800UX

※ 東田守生さんのウェブサイト「月世界への招待」には、土星食関連の画像が多数掲載されています。


菅原芳明氏撮影の月と土星のニアミス タイトル/月と土星のニアミス
撮影者/菅原芳明 撮影地/神奈川県横浜市南区
撮影機材/(望遠鏡)D=100mm fl=400mm 100SDUF PENTAX (架台)EM-200 (カメラ)COOLPIX990 (接眼鏡)LV5 ビクセン 撮影法/コリメート法

●撮影者コメント: ここ横浜では、03:50頃は薄雲があり、雲も流れている悪の状態でした。月もぼんやりとしか見えませんでした。薄雲を通してなので、望遠鏡でないと土星は分かりませんでした。04:06頃から奇跡的に晴れてきました。月齢 20.3 の月と土星です。


下条博美氏撮影の土星食 (1)

下条博美氏撮影の土星食 (2)

下条博美氏撮影の土星食 (3)

下条博美氏撮影の土星食 (4)

下条博美氏撮影の土星食 (5)

撮影者/下条博美 撮影地/新潟県三川村
ビデオ撮影からのキャプチャ画像

●撮影者コメント(抜粋): 今回の土星食ですが、接触ラインを求めて、新潟・三川村まで行って来ました。食の当日ですが、天気予報に反し、夜半前までは太平洋側も含め、新潟方面もすばらしい天気でした。数時間後に食される土星がそばに寄り添っているのが見えていました。
11時過ぎ頃から、薄雲が広がり始め、雲量は次第に多くなってきます。時には月が見えなくなるほど厚く垂れ込めることもありました。食の始まる頃も、かなりの雲が月の前を通り過ぎていきましたが、幸いに接触の一部始終を見ることに成功しました。別のグループが同じ新潟の柏崎に行っていましたが、食の間完全に曇り、月が再び出てきた頃は離脱した後のことだったようです。

リング外接:3h45m13s、本体外接:3h45m55s、本体内接:3h52m00s頃〜(南側のリングの一部のみが食されずに残った)〜本体内接:3h56m30s頃、本体外接:4h03m10s、リング外接:4h03m53s


高崎繁樹氏撮影の土星食

撮影者/高崎繁樹 撮影地/石川県中島町
撮影機材/ミード90ETX+LV9ミリ ニコンクールピクス950 ステライメージ3によるモザイク合成

●撮影者コメント: かわいい望遠鏡でかわいく撮影できました。潜入時の薄雲も出現時はかなりとれました。


野田司氏撮影の土星食

撮影者/野田司 撮影地/岩手県大野村
撮影機材/SONY DCR-TRV30デジタルビデオカメラ PENTAX105SDHF+RC1.4× LV25mmでコリメート撮影 (合成焦点距離18800mm相当) ステライメージ3にて画像処理

●撮影者コメント: こちらは、ほぼ快晴に恵まれて全過程を見ることが出来ました。ビデオカメラを買ったばかりで、ぶっつけ本番の撮影でしたが、まずまず写ってくれました。


高原摂竜氏撮影の土星と月の接近

撮影者/高原摂竜(にしわき経緯度地球科学館) 撮影地/兵庫県西脇市住吉町
撮影機材/NTK製25cmF=7反射望遠鏡+PL30mm CASIOQV3000EXでコリメート撮影

中川義通氏撮影の土星食 (潜入 1)

中川義通氏撮影の土星食 (潜入 2)

中川義通氏撮影の土星食 (潜入 3)

中川義通氏撮影の土星食 (出現 1)

中川義通氏撮影の土星食 (出現 2)

中川義通氏撮影の土星食 (出現 3)

中川義通氏撮影の土星食 (出現 4)

撮影者/中川義通 撮影地/新潟県三川村
撮影機材/Vixen R200SS 20cm 反射 (F4.0)、PLOSSL 10mm 引伸法、Vixen GP-D 赤道儀、Watec WAT-100N モノクロCCDカメラ、Panasonic NV-MX3000 にて録画
mpg 形式ムービー(上 3 つは潜入時、下 4 つは出現時)

●撮影者コメント(抜粋): 0:00頃までは快晴状態だったのに、段々雲が広がってしまいました。食が始まる直前には一時土星が全く見えなくなるなど、不安でしたが、潜入は雲の切れ目から、出現は薄い雲の向こうに見ることができ、イベントの一部始終をビデオに収めることができました。

  1. 環が外接した3時45分ころ。
  2. (2 本目)本体が外接した3時45分50秒ころ。
  3. 本体内接前、3時49分ころのもの。土星が月面に沈んでいくようで、面白い眺めでした。
  4. 出現の頃、4時00分頃のもの。凸凹した月面から登って来るような土星が印象的でした。
  5. 4時01分頃のもの。土星本体が月面の山に重なり、環が山にかかった虹のように見えて印象的な場面でした。
  6. 本体がほぼ出現終了した4時01分34秒からのもの。この頃は薄雲の向こうだったのでわかりにくいかもしれません。
  7. 土星がいよいよ月を離れつつある4時4分ころのもの。この直後からまったくの曇り空になってしまいました。

佐藤慎二氏撮影の月と土星の接近

撮影者/佐藤慎二 撮影地/高知県高知市
撮影機材/(望遠鏡)セレストロン20センチ (架台)ビクセンGP赤道議 (カメラ)ソニーDCR-PC100 (接眼鏡)28mm
撮影法/コリメート法

●撮影者コメント: 月に隠れなかったけど、ずーと美しい土星食もどきが観えてきれいだった。月のクレーターのすぐ上を通りすぎる土星は神秘的でもありました。


茶木恵子氏撮影の土星食

撮影日時/2001年10月8日03:59
撮影者/茶木恵子 撮影地/石川県輪島市
撮影機材/Pentax105SDHF+LV9mm、Olympus Camedia2020z
撮影法/コリメート法

●撮影者コメント: 夜じゅう曇り空でしたが、食直前ににわかに晴れだし、潜入から出現まで楽しむ事ができました。食直後になってようやく撮影失敗に気づきましたが、時既に遅し!でした。


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