1 月 21 日の小惑星ベローナによる恒星食の改良予報

【2002 年 1 月 15 日 アストロアーツ】

1 月 21 日(月)に小惑星ベローナによる恒星食が起こる。この予報を佐藤勲さんとせんだい宇宙館からいただいたので、それぞれ紹介しよう。

<佐藤勲さんによる予報(ONM No. 615)>

1月21日(月)に起こると予報されていた小惑星(28)Bellona(10.7等)によるTYC083900895(10.38等)の掩蔽は、同日25h09mごろ北海道で見られます。

隠される恒星の2000年分点の位置は、赤経10h41m32s9115±0".044, 赤緯+08° 12' 15".826±0".056で、しし座にあります。一方、隠す小惑星の推定直径は121km、視直径は0".110で、改良予報での暦の精度は0".031です。

名目上の掩蔽帯は、稚内、名寄、旭川、北見などを通っており、ここを中心に札幌付近より東部が可能性圏内にあります。星の位置精度が悪いため、これ以上の精度向上は見込めません。現象が起これば、最長22秒間にわたって0.9等級の減光が起こります。

予報図のPDFファイルを添付しました。アクロバットリーダーでご覧になれます。

詳しいお問い合わせと観測報告は、佐藤 勲 氏(E-mail ANA65381@nifty.ne.jp)までお願いいたします。

さらなる改良予報が出た場合は、電子メールや電話、アストロアーツのホームページでも情報を流します。また、観測報告は、eGroupに参加登録の上(eGroupにログイン)、occultation@egroups.co.jpに投稿して下さい。(プロフィールを記入されませんと、参加登録されません。)

<せんだい宇宙館からの予報>

1月22日未明の小惑星(28)Bellona による TYC 0839-00895-1(mag10.4)の IOTA による改良予報が発表されました。観測の可能な方は是非ご協力頂きたくお願い申し上げます。また、近隣の方々にも呼びかけをお願い申し上げます。

この予報は、ファインダーチャートとともに、以下のページにおきました。http://www2.synapse.ne.jp/uchukan/

■ 2002.01.22   01h09m JST
恒星  :TYC 0839-00895-1
        赤経 10h 41m 32.902s,赤緯 +08°12' 15.98"(J2000) 10.4等
        しし座ρ星(ρ Leo)の南東 約 2°25'
小惑星:(28)Bellona  10.7等
減光  :約 0.9等  継続時間は最長 21.6秒
掩蔽帯:北海道東部

小惑星と恒星の光度差が少ないため、0.9等の減光しかありませんが、他の条件は良好です。この減光量であると肉眼での観測よりも、ビデオや光電管等による観測が望まれます。掩蔽帯の幅は122km で誤差(1σ)は わずか +/-49% と発表されています。減光の継続時間は最長で21.6秒です。

改良予報の在所: http://www.oz.net/~stevepr/Asteroids/asteroid.htm

観測に成功されましたら、是非、国立天文台相馬充氏 または、せんだい宇宙館早水勉までご報告をお願いいたします。観測されましたデータは、IOTA,国立天文台,海上保安庁水路部,東亜天文学会 他、広く公開され星食の研究に役立てられます。

必要なデータは、

  1. 観測者氏名
  2. 観測地および観測地の経緯度
  3. 観測開始と観測終了の時刻
  4. 減光が観測されたか? 減光が観測されなくとも重要なデータです。
  5. 減光がおきた場合の時刻:減光開始の時刻および減光終了の時刻
  6. 観測機材
  7. 時刻保持の方法

です。観測は眼視によるものでも重要なデータとなりますが、可能な方は、是非ビデオによる観測をお願いいたします。時刻保持のためには、極力、GPS時計、短波時報(外国)などの正確な時報を用いてください。固定電話による117時報も0.03秒程度の信頼性があります。携帯電話の時報、電波時計、は遅れが大きいので避けてください。

星食観測は多くの観測者により成立するものですので、この種の現象を通じて、天文仲間のフレンドシップの広がることを期待しております。

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