明るい超新星2002aoが発見される
【2002 年 1 月 28 日 VSOLJ ニュース 081・山岡 均(九大・理)氏】
IAUC 7809に報じられたところによると、Lick天文台の自動撮像望遠鏡(KAIT)が明るい超新星を発見しました。先日VSOLJニュース79でお知らせした超新星2002anをしのいで、今年これまでで最も明るいものです。もしこれがIa型超新星であれば、極大で13.4等程度となることが期待されます。
超新星が出現した銀河は、おとめ座の東部にあるUGC 9299という渦巻銀河です。超新星の位置は、赤経14時29分35.74秒、赤緯-0度00分55.8秒(2000年分点)で、銀河の中心核から東に16秒角、北に10秒角にあたります。銀河円盤の外縁部に重なって見えます。周囲に超新星と見紛う星は特にありません。この銀河の東南東1分角、南1.5分角のところに小さい銀河がありますが、ずっと遠方のものです。
この銀河は、後退速度が1500km/sほどで、かなり近傍の銀河です。おとめ座の西部にある有名なおとめ座銀河団よりはやや遠いですが、倍までは行きません。UGC 9299の周囲5度以内には、似たような後退速度の銀河がたくさんあり、緩い銀河集団を形成していることが見込まれます。この速度がハッブルの法則を反映したものとすれば、この銀河でのIa型超新星の極大等級は13.4等ほどと予想されます。今後の光度測定と型判別が切望されます。