宇宙の色は「青くなかった」
【2002年3月8日 The Cosmic Spectrum】
1月18日のニュース「宇宙の色は『薄い青緑』」でお伝えした色は、実は正しくなかったことが、同じ研究グループから発表された。
研究グループによると、色彩学における「白点」の取り方を間違ってプログラミングしていたためにこの間違いが発生したとのこと。あらためて計算をやり直したところ、平均的な色は「ベージュ色」となることがわかった。
この色を導き出す元になったデータは、アングロ・オーストラリア天文台の望遠鏡を使って行われた2dF銀河赤方偏移掃天観測で得られた20万個以上の銀河のものである。平均化された色そのものには天文学的な意味はあまりないかもしれないが、この色が数多くの銀河の色(すなわち銀河を構成している星の色)の平均であることから、宇宙の各時代ごとにおける色の変化を見れば、星形成や銀河の進化の歴史を推定することができると考えられる。