チリの Liller, いて座に新星らしき天体を発見
【2002年4月16日 VSOLJニュース 088・加藤 太一(京大・理)氏】
チリの William Liller からの報告によれば、4月15.354日(UT)撮影のフィルムからいて座に 9.2等級(オレンジフィルター使用) の新星らしき天体が発見されました。Liller によれば 4月11.40日撮影のフィルムには11.5等よりも明るい星像は認められなかったとのことです。さらに島根県の金津和義氏によれば、4月13.814日のフィルムには11.0等より明るい天体が見とめられず、この天体が急激に増光したことをうかがわせます。
この天体はブラジルの Paulo Cacella によって確認され、以下の精測位置が報告されています。
17h 59m 59s.633 -30o 53' 20".52 (J2000.0)
九州大学の山岡均氏によればこの位置にちょうど一致する爆発前の星はなく、爆発前には20等級以下の天体であったと考えられます。これらの情報から、この天体は新星かそれに類似の天体と思われます。スペクトル観測による確認や今後の光度変化の観測が望まれます。
Paulo Cacella による確認画像は以下に報告されています。
http://intermega.globo.com/cacella/NovaSGR.htm
VSNETでもこの天体に関するページを用意する予定ですが、チャート類は以下をご参照ください。
ftp://ftp.kusastro.kyoto-u.ac.jp/pub/vsnet/Novae/nova_sgr02/