地球惑星科学関連学会で高校生が「月の二酸化チタンマップ」を発表
【2002年5月30日 成蹊高校天文気象部】
31日まで東京・代々木で開催されている「地球惑星科学関連学会 2002年合同大会」で、成蹊高校天文気象部の部員たちが「冷却CCDカメラを使った月面分光観測によるTiO2マップ」に関する学会発表を行なった。この内容は、高校生としてはもちろん、アマチュアとしてもおそらく世界初だとのことだ。
この発表は、アメリカのクレメンタイン衛星の解析手法を地上観測に応用し、冷却CCDカメラとパンドパス・フィルターを組み合わせて撮像した画像から、月面のTiO2(二酸化チタン)の分布図を作成した成果を公表したもの。月面の全球画像としては、ハワイ大学のLucey博士らの作成した画像とほぼ同じ解像度(約6km/pixel)を実現している。アマチュアでも月のリモートセンシングができることを示したことでも、大きな成果となった。なお、撮像から画像解析の方法は、秋田大学・佐伯和人博士に指導して頂いたとのことだ。
地球惑星科学関連合同大会は、地球科学、惑星科学の研究者が一同に会する大きな学会で、高校生グループが発表するのは極めて珍しい。成蹊高校天文気象部としては、1998年のしし座流星群について、しし座流星群高校生全国同時観測会を代表して行った1999年の発表に引き続き二度目となる。最近では天文学会の春季年会でも「ジュニアセッション」として高校生など若い年代による発表が行なわれるようになっている。若い研究者たちの今後のますますの活躍を期待したい。