遠方銀河に点在するブラックホールや中性子星をチャンドラが撮影

【2002年6月5日 Chandra Press Room

NASAのX線観測衛星チャンドラによって、遠方の銀河中に多数のブラックホールや中性子星が発見された。

(NGC4697の画像)

おとめ座の楕円銀河 NGC4697。距離はおよそ4000万光年(提供:NASA / CXC / UVa / C.Sarazin et al.)

(NGC1553の画像)

かじき座のレンズ銀河 NGC1553。距離はおよそ7000万光年(提供:NASA / CXC / UVa / E.Blanton et al.)

(NGC4649の画像)

おとめ座の楕円銀河 NGC4649。距離はおよそ6000万光年(提供:NASA / CXC / UVa / S.Randall et al.)

ブラックホールや中性子星は、非常に明るく質量の大きな星が、超新星爆発を起こしてその一生を終えた跡に残る「星の死体」である。つまり、これらの天体がたくさん見つかったということは、銀河の中にかつて明るい大質量星がたくさん存在していたということを意味している。現在の楕円銀河では質量の小さな暗い星が大部分を占めているのとは対照的だ。この種の銀河がどのように進化してきたのかを研究する上で重要な観測結果であるといえる。

また、観測で見つかったブラックホールや中性子星はX線連星を形成していることもわかった。ブラックホールや中性子星の強力な重力によって相手の星から物質が流れ込み、高温高エネルギーを放射するのでX線で光って見えるのである。

これらの連星の大半が、光学望遠鏡での像との比較から、球状星団の中に存在していることがわかっている。このことから、ブラックホールや中性子星は元から連星だったわけではなく、相手の星を引きつけて連星になったと考えられている。普通は星と星との間は非常に離れているので連星の相手の星を捕まえるのは難しいが、球状星団の場合には星の密集度が高いので捕まえることができたというわけだ。

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