土井さん、超新星を発見
【2002年10月21日 国立天文台・天文ニュース(593)】
アメリカ合衆国テキサス州ヒューストンの土井隆雄(どいたかお)さんが、超新星(SN2002gw)を発見しました。
日本人宇宙飛行士として有名な土井さんが、「ろ座」の北部にある銀河NGC922に超新星を発見しました。30センチメートル反射望遠鏡にフィルター無しのCCDカメラを使い発見しました。この超新星はSN2002gwという符号が付いています。
この超新星の位置(土井さんの報告による)は、
赤経 2時25分02.97秒 赤緯 -24度47分50.6 秒 (2000.0)
で、NGC922の心から西に21秒、南に33秒の位置にあります。(NGC922周辺の星図、26KB)
南アフリカ・プレトリア(Pretoria)のL.A.G. モナード(Monard)さんも独立に発見しています。彼の観測では赤経2時25分02.97秒、赤緯 -24度47分51.9 秒。
明るさは、9月12.052日(世界時): 18.5等以上の星は確認されない(モナード)、10月13.27日(同): 17.3 等(土井)、15日(同): 17.3等(土井)、16.027日(同): 17.6 +/-0.3等(モナード)、16.832日(同): 17.6等(モナード)と報告されています。
土井さんは日本人宇宙飛行士として有名ですが、昔からのアマチュア天文家としていろいろな天体を観測していました。
土井さんは11年前から超新星の観測をはじめ、今回のこの発見に至りました。
今回超新星を発見した観測所は、土井さんが2年ほど前にテキサス州ワイマー(Weimar)に建てたスター・リッジ(Starridge; 星の峰)観測所での発見です(ヒューストンから車で2時間ほどの距離にあるそうです)。
また、土井さんは今年の4月に天体物理学で修士号を取得されています。
注:このニュースのIAUC 7995以外の情報は、たまたまヒューストンで開かれている、COSPAR(Committee on Space Research; 宇宙空間研究委員会)に参加している、渡部潤一(わたなべじゅんいち)さんからの情報に依ります。