木星の衛星アマルテアの密度はとても小さいようだ
【2002年12月10日 JPL News Releases】
NASA JPL(ジェット推進研究所)の木星探査機ガリレオによる調査によると、木星の衛星アマルテアの密度はとても小さく、衛星が穴だらけである可能性が高いようだ。
アマルテアは木星の4大惑星(イオ、エウロパ、ガニメデ、カリスト)よりも内側を公転している衛星で、長辺が約270km、幅はその半分ほどというつぶれた形をしている。先月5日にガリレオがアマルテアから160km離れたところを通過した際に衛星から受ける重力の強さを測定し、そこから重さを計算して密度を求めた結果、アマルテア全体としては液体の水ほどの密度しかないことがわかった。
これほど密度が低いのは、内部にたくさん空洞があるためだと考えられる。形がいびつなことや空洞が多いことから、アマルテアはばらばらの破片が集まって作られたのではないかと推測されれている。しかし、より密集できるほどには重力がないために空洞が多く残ってしまったのだ。
また、アマルテアは固体部分の密度が小さく、これも全体の密度が小さいことに関係がある。4大衛星では木星に近いほど固体部分の密度が大きくなるのに、それより内側にあるアマルテアの固体部分の密度はイオ(4大衛星で一番内側の衛星)よりも小さく、研究者たちを悩ませている。