地球とほぼ同じ距離を公転する小惑星
【2003年1月6日 JPL News Releases】
太陽から見てほぼ地球と同じ距離を公転する小惑星が、今月8日ごろに地球にもっとも近づくことが計算からわかった。
2002 AA29という番号の付けられたこの小惑星は、昨年の1月9日に発見されたもので、直径60mほどの小さな天体だ。太陽からの距離(軌道長半径)はほぼ1天文単位で、これは太陽から地球までの平均距離と同じである。小惑星は太陽からの重力と地球からの重力を受けて複雑な動きをし、地球に近づいたり遠ざかったりしながら、だんだんと地球の公転軌道の後ろ側から地球に近づいている。そして、8日ごろには地球から590万kmのところまで近づくということだ。
計算によれば、この小惑星が地球に衝突する可能性はない。また、約600年後には地球の周りを巡るようになって一種の「月」のような運動をすることもわかっている。ただし、その40年後には再び地球から離れてしまう。
なお、Near-Earth Object Programの2002 AA29のページでは、小惑星の運動のようすを示したアニメーションが多数用意されており、小惑星が地球に近づいたり離れたりするようすや、600年後に月のように地球の周りを巡るようすが見られる。