スペースシャトル「コロンビア」が空中爆発

【2003年2月3日 アストロアーツ】2月24日 関連情報一覧に追加(全471件)

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1日午後11時(日本時間)ごろ、宇宙での16日間のミッションを終え大気圏に再突入していたNASAのスペースシャトル「コロンビア」号が、着陸予定時刻の16分前にテキサス州の上空高度約6万メートルで交信を絶ち、直後に空中爆発を起こした。

この事故で乗員7名が全員死亡した。また、爆発した機体の破片がテキサス州など広範囲に散らばっているもようだ。

事故の原因は現在調査中だが、爆発の数分前から機体左翼の温度センサーに異常が確認されており、何らかの理由によって機体左側の耐熱タイルが損傷して温度が異常に上昇し、爆発に至ったのではないかとみられている。先月16日の打ち上げ時に外部燃料タンクからはがれた断熱材の破片が左翼に衝突したことがわかっており、当初は「飛行には影響はない」と発表されていたものの、関連性を再度詳しく調査することとなった。

「コロンビア」号は1981年4月に初飛行を行なった最も古いスペースシャトル(オービター)で、今回が28回目の飛行であった。他のスペースシャトルは「アトランティス」「ディスカバリー」「エンデバー」である。1986年1月には「チャレンジャー」号が打ち上げ直後に爆発して乗員7名が死亡したが、今回の事故はそれ以来の大惨事となった。

今回の事故により、今後のスペースシャトル飛行計画や国際宇宙ステーション計画に大きな影響が出ることは必至となった。ロシアは2日に無人輸送ロケット「プログレス」を打ち上げ、3月に「アトランティス」号での帰還が予定されていた国際宇宙ステーション滞在クルーの滞在期間が延長される可能性に備えている。

乗員の方々のご冥福を心よりお祈りいたします。

<参照>

天文、宇宙関連のニュースや情報をまとめて掲載されているウェブサイト「Info-Star HP」が発行している天文のメールマガジン「Info-star MM」で、今回の事故に関するNASAの公式発表や宇宙開発事業団の発表、新聞社などの報道発表の一覧が掲載されています。こちらの情報をもとに「事故関連の発表一覧ページ」を用意しました。