色鮮やかな宇宙のらせん 惑星状星雲NGC7293

【2003年5月15日 HubbleSite - NewsCenter

みずがめ座にある惑星状星雲NGC7293は、「らせん状星雲」という愛称で知られている天体だ。見かけの大きさが全天でもっとも大きい惑星状星雲としても有名な天体だが、ハッブル宇宙望遠鏡とNOAO(National Optical Astronomy Observatory)の画像を合成して得られた、色鮮やかな画像が公開された。

(らせん状星雲の写真)

らせん状星雲NGC7293。青は酸素に、赤は水素や窒素に、それぞれ特有な波長に対応(提供:NASA, NOAO, ESA, the Hubble Helix Nebula Team, M. Meixner (STScI), and T.A. Rector (NRAO))

らせん状星雲は、地球からの距離がおよそ650光年と近いところにあり、見かけの大きさは満月の半分にも達する。実際の大きさは直径3光年ほどだ。中心の星から放出されたガスやチリが広がり、それらが光って見えているのである。触手のような細かいフィラメント状の構造が放射状に広がっているようすもわかるだろう。研究によれば、この惑星状星雲は円筒状の形をしており、ちょうどその筒を上下方向から見ているような向きになっているということだ。

ちなみに、ハッブル宇宙望遠鏡がこの天体を撮影したのは、2002年のしし座流星群がピークを迎えていた頃である。流星の元になる粒子から鏡を保護するため、ハッブル宇宙望遠鏡は粒子の分布する方向を向かないように制御されていたのだが、ちょうどその制御して向けられていた方向にらせん状星雲があったというわけである。らせん状星雲は大きいので、約半日の間を利用して9枚の写真を撮影し、この合成写真が作られたということだ。

<参照>

<関連リンク>