海王星にも季節の変化があるらしい
【2003年5月28日 HubbleSite - NewsCenter】
海王星に春が来た!ハッブル宇宙望遠鏡を用いた6年以上にわたる海王星の観測から、海王星の南半球の部分に見られる帯状の雲の量や明るさが増えていることが明らかになった。海王星にも季節の変化があることを示しているのかもしれない。
海王星には「大暗斑」と呼ばれる巨大な台風のような構造があることが知られている。また、ときには時速1500kmほどにも達する猛烈な風が吹くこともある。そのような激しい環境の惑星にも四季の変化があるらしいことが、初めて観測されたのだ。
研究者たちは、1996年、98年、そして2002年の3回、ハッブル宇宙望遠鏡の赤外線カメラを用いて海王星を観測した。画像を見れば、2002年のものには白い雲が多いことがわかるだろう。ケック望遠鏡でも2000年から2001年にかけて近赤外線によって海王星の観測が行なわれ、今回の結果と同様、雲がだんだんと増加傾向にあることが確かめられている。
海王星に季節の変化があるのは、地球と同様、自転軸が公転面に対して29度傾いているからだ。低緯度の部分には雲の変化がないように見えるのも、地球の熱帯(低緯度地方)とよく似ており、今回観測されたのが季節の変化であるという説を支持している。ただし、地球と大きく違うのは、1つの季節が40年以上も続くということだ。