ハッブル宇宙望遠鏡、天王星に新しい衛星を2個発見
【2003年9月26日 HubbleSite - NewsCenter】
ハッブル宇宙望遠鏡による観測で、天王星に2個の新しい衛星が見つかった。
天王星には、5個の大きな衛星(アリエル、ウンブリエル、タイタニア、オベロン、ミランダ)をはじめとして21個の衛星の存在が知られていた。そのうち10個は、1986年にボイジャー2号が天王星に接近した際に撮影した写真から見つけられたものである。
新しく見つかった衛星のうちS/2003 U 1という符号がつけられた衛星は、直径が約16kmで、天王星本体から97,700km離れたところをおよそ22時間で公転している。また、S/2003 U 2という符号がつけられた衛星は、直径が約12kmで、天王星本体から74,800km離れたところをおよそ15時間で公転している。
今回見つかった衛星を含めて、天王星には大衛星より内側に13個もの小さい衛星がある。一説によれば、これらの小衛星は彗星が別の衛星と衝突してできたものかもしれないということだ。天王星本体と大衛星の影響を受けて運動する小衛星は、軌道が不安定になりやすいが、それにもかかわらず13個も衛星が存在する理由について調べるため、さらに観測が行われる予定だ。これはまた、衛星がどのようにして誕生したのかという謎の解明にもつながるだろう。
なお、一度はその存在が認められたものの観測不十分という理由によって衛星としての認定を取り消されていた衛星、S/1986 U 10も、ハッブル宇宙望遠鏡によるの追加観測によって間違いなく衛星であることが確認された。これにより、天王星の衛星の数は(今回の2つが間違いなく衛星だと認められたとして)24個となった。