太陽系に似た惑星系存在の新たな証拠
【2003年12月9日 PPARC Press Releases】
イギリスのPPARCが、七夕の織女星として有名なこと座の1等星ベガに我々の太陽系とよく似た惑星系が存在する可能性があると発表した。惑星系の存在は、この広い宇宙において我々の住む星が特異な存在であるか否かという究極のテーマに関わるものだ。
これまでに見つかっている100例ほどの惑星系は、木星型惑星(ガスでできた巨大な惑星)が主星の近くを公転しているものばかりで、我々の太陽系とは似ても似つかないものだった。研究グループは今回、サブミリメートル波長を捉えるカメラSCUBAによってベガを観測し、その周りに広がる摂氏マイナス180度のチリのディスクを発見した。これをもとにしたモデル計算で、海王星と同程度の質量の惑星が、我々の太陽系における太陽から海王星の距離と同程度の距離を公転していることが明らかになったのである。
海王星軌道ほど遠いところに惑星が見つかったということは、その内側のかなり広い範囲に地球のような岩でできた小さな惑星が存在しうるということを示している。また、ディスクの形が不規則ででこぼこしていることからも、小さな惑星の存在が示唆される。さらに、我々の太陽系の場合は木星の影響によって海王星の軌道が外へと移ったわけだが、このようにベガ系にも木星サイズの惑星があるのかもしれない。
ベガは高温であるため、サブミリ波カメラSCUBAではかろうじて写る程度にしか捉えられない。しかし、肉眼では青白く輝く明るい星で、簡単に見つけることができる。我々に似た惑星の存在に思いを馳せながらベガを眺めてみるのも面白いのではないだろうか。