120光年サイズのミニ銀河を数十個発見

【2004年4月7日 Royal Astronomical Society

アングロ・オーストラリア望遠鏡(ATT)を用いた観測によって、ろ座銀河団に数十個のミニ銀河が発見された。ミニ銀河の発見は、同チームが2000年にろ座銀河団に6個を確認して以来のことだ。

(ミニ銀河の画像)

ろ座銀河団。四角のマークは2000年に見つかっていたミニ銀河(提供:Steve Phillipps of Bristol University)

「超コンパクト矮小銀河」(UCDs:Ultra Compact Dwarfs)と名づけられたこれらの小さな銀河は、質量はいわゆる矮小銀河と同程度だが、直径が120光年と驚くほど小さい。銀河は長い宇宙の歴史の中で衝突と合体を繰り返しながら成長してきたと考えられているが、ミニ銀河のうち少なくとも一部は、これらの合体から取り残されたものらしい。

これまでほとんど発見されていなかったのかは、その姿が銀河というよりは、近傍の星に似ていたためである。2000年の発見当初も、天の川銀河系に存在する星と同様に見えていたのだが、分光観測によってこれらの天体までの距離が6千万光年であることが明らかになり、銀河系外の天体だとわかったのだ。

観測が進むにつれ、このタイプの銀河はありふれた存在であることがわかってきた。ろ座銀河団では計46個が、おとめ座銀河団にも8個が見つかっている。これらの銀河は、もともとは大きな銀河だったものが外側の星々をはぎ取られて小さくなってしまったものなのかもしれない。もしそうなら、今後銀河の密集した銀河団を観測することで、銀河の外側部分がはぎ取られる過程が進行中の現場を発見できるだろうと考えられている。観測の続報が楽しみである。

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