科学者が首をかしげる奇妙な火星の石
【2004年7月6日 Mars Exploration Rover Mission: Press Releases】
当初の予定を大幅に超えて順調に進んでいる火星探査で、小さな雫が垂れるような奇妙な形をした石が発見された。その形成については専門家も首をかしげている。
90日間の初期ミッションを無事に終え、クレーターのスロープの危険も乗り越えた火星探査車スピリットは、現在ヘマタイト(酸化鉄)を豊富に含む石の調査を進めている。その中で発見された「Pot of Gold」と名づけられたソフトボールサイズの石は、小さな雫が垂れるような奇妙な形を見せている。これは、すでに発見されているヘマタイトの小球体「ブルーベリー」のように何かが凝固したものではないようだ。
専門家によれば、ヘマタイトはたいていの場合水を必要とする環境下で作られるが、乾燥した状況で作られることもあるとのことだ。この石に含まれてるヘマタイトが、火星の過去の新しい側面を見せてくれるかもしれない。ひとたび詳細が明らかにされれば、新たな火星の過去の姿が明らかにされることになりそうだ。
現在スピリットが抱える唯一の問題はタイヤの磨耗だということだが、2台の探査車の今後の無事を祈りながら次なる発見のニュースに期待したい。