木星と土星で異なる惑星形成のシナリオ
【2004年8月3日 Los Alamos National Laboratory News Releases】
約50億年前に形成された木星や土星は共に巨大なガス惑星だが、この2つの惑星の形成シナリオが大きく違うという可能性が示された。
木星と土星の形成シナリオが違うプロセスによるものではないかという結果を出したのは、カリフォルニアのロス・アラモス国立研究所が行ったコンピュータによるモデル計算で、2つの巨大惑星内で見られるような強い圧力を水素に加えるというものだ。計算の結果、土星の巨大な核では重元素の集中が見られた。同様の物質が木星にも見られたのだが、木星全体に広がっており、中心の核ではほとんど、あるいはまったく見られなかった。これにより、木星と土星の形成が違うプロセスで進んだのではないかという説が生まれたのだ。
木星や土星、その他の巨大な惑星は、ガスでできている。質量の70パーセントが水素で、残りの大部分はヘリウム、そしてわずかな重元素を含んでいる。内部の構造の観測はとても難しく、高圧環境での水素の平衡状態についてはよくわかっていない。
今回使用されたデータの中には過去の間接的な観測によるデ−タも含まれており、依然として不確かな点もある。探査を始めたばかりの土星探査機カッシーニや将来予定されている惑星探査によって、更なる情報がもたらされれば、水素がどのようになるのかといったこともさらに確かになり、惑星の誕生についてより多くのことがわかってくるだろう。