ハッブル宇宙望遠鏡が捉えた、きりん座の超新星2004dj
【2004年9月3日 Hubble Newsdesk】
NASAのハッブル宇宙望遠鏡が捉えた、超新星2004djの画像が公開された。この超新星は今年7月31日、山形県の板垣公一さんが発見したものである。
画像中矢印によって指し示されている超新星2004djは、われわれから1100万光年離れたきりん座の銀河NGC 2403のはずれに存在する。超新星としては、この10年間以上でもっとも近い距離で発見されたものだ。超新星2004djの元になった星の質量は太陽質量の15倍で、その年齢はたった1400万歳と恒星としては短命だ。大質量星には燃料は多く存在するが、その燃料を激しい勢いで消費していくために寿命が短いのである。
画像中、青い部分は大質量星からなる星団で、そこには大質量の星が多く存在している。大質量が多いために超新星の出現頻度も高く、過去50年間で他に2回の出現が記録されている。また、ちりばめられたように分布するピンク色の領域では、星の誕生が進んでいる。
この画像が撮影されたのは8月17日で、板垣さんが超新星を発見した約2週間後のことだ。発見後の観測で、超新星2004djは水素の豊富な大質量星が爆発したII型の超新星であることが明らかにされた。今後2004djが次第に暗くなっていく過程でも観測は数年続けられ、II型超新星の爆発や放出された物質についての詳細なデータが得られることになっている。爆発後に残された中性子星や爆発によって放出されたさまざまな重元素に関して、多くのデータが得られるだろう。