【天文ツアー情報】10月3日、スペインの首都マドリッドで金環日食
ツアー参加申込みはお早めに

【2005年8月2日 アストロアーツ星ナビ天文ツアーデスク】 9月1日更新

今年の10月3日、久しぶりに純粋な金環日食が起こる。前回のパナマ金環皆既日食は皆既帯の両端で金環となる珍しいタイプの日食だったからだ。今回の金環日食が見られる陸地は、ヨーロッパのスペイン、ポルトガルからアフリカ大陸にかけて。スペインの首都マドリッドが金環日食帯の中心線に近く、観光も兼ねて出かけるにも魅力的な日食だ。

金環日食観測地はスペインの首都マドリッド

(金環日食帯の地図)

金環日食帯の中心線はスペインの首都マドリッドを通っている。クリックで拡大(エクリプスナビゲータで作成)

(マドリッドでの金環日食の経過)

マドリッドでの金環日食の経過。現地は夏時間だ。クリックで拡大(エクリプスナビゲータで作成)

今回の金環日食帯は、カナダとイベリア半島の間の北大西洋上からスタートし、時刻とともにヨーロッパに向かって東南東へと進んでいく。その後、イベリア半島の西岸からポルトガルとスペインの国境をまたいで上陸、そのままスペインを南東へ横断して、地中海へと抜けていく。続いてアフリカ大陸に上陸。地中海沿岸のアルジェリア、チュニジア、リビアの3国を通過し、さらにチャド、スーダン、エチオピア、ケニアを南東に進んで、アフリカ大陸東岸のソマリアからインド洋へと再び洋上を進んでいく。金環日食帯の終端は、インドやスリランカのはるか南方のインド洋上である。今回の金環日食の特徴は、食分が小さく、金環継続時間が比較的長いことである。最大食はスーダンの内陸部で、最大食分0.96、金環継続時間は4分32秒ほどである。

スペインの首都マドリッドでは、10月3日の午前中の現象となる。第1接触は、現地時間の9時40分過ぎで、およそ1時間15分ほどで第2接触を迎えて金環となる。最大食分は0.97、金環継続時間はおよそ4分10秒で食の最大は10時58分頃、第3接触はほぼ11時だ。金環時の太陽高度は、およそ29度である。その後、1時間23分ほどで第4接触となり、月は完全に太陽から離れていく。現地は西経にもかかわらず、ヨーロッパ圏ということで地方標準時はUT+1、さらに夏時間のため、当日はUT+2で、第4接触時に正午をまわるが、太陽はまだ南南東の空、高度40度ほどにある。

ここ数年で最も好条件な金環日食

(金環日食の写真)

1998年8月22日に起こった南アジア・太平洋金環日食。マレーシア・メルシンで、食の最大を中心に2分30秒間隔で多重露出したもの。このときの最大食分は0.98程度で、今回の金環日食は、この時よりもややリングが太い。(撮影/川村 晶)

ポルトガル、スペイン、アルジェリアなど、金環日食帯が通過するヨーロッパやアフリカ大陸の地中海沿岸の国は、比較的アクセスしやすい場所である。特にスペインでは、首都であるマドリッドが中心線に至近な位置関係となるため、市内で日食を好条件で見ることができる。気になる天候だが、スペインは通年でも特に雨の多い地域ではない。マドリッドの10月の月間平均降水量は、およそ45ミリと東京の12月程度なので、天候的にも期待できそうだ。

ちなみに、この次の金環日食は、来年2006年9月22日だが、金環日食帯のほとんどが洋上で、陸地はわずかに南米大陸東岸のみだ。2008年2月7日、2009年1月26日にも金環日食は起こるが、それぞれ金環日食帯が通過する陸地は、アクセスが事実上不可能な南極と天候的に期待できない雨期の東南アジアである。したがって、今回の日食がここ数年でもっとも観測条件がよく、アクセスも容易な金環日食といえる。

世界遺産巡りも楽しいスペイン金環日食の旅

日食観測ツアーもいくつかの旅行会社から発表されている。星ナビ企画協力のクラブツーリズムと阪急交通社のツアーは、アクセス、治安、観光の面から、スペインのマドリッドを観測地としている。日食観測をメインに、スペイン各地の世界遺産を巡る8日間コースと、日食観測に的を絞った5日間コースを設定している。旅行日程や観光コースが違うので、訪ねてみたい場所や、休暇の取り易さなどを考慮して参加するツアーを選ぼう。(写真はイメージ/クラブツーリズム(株)提供)

マドリッドのスペイン広場 グラナダのアルハンブラ宮殿 バルセロナのサグラダファミリア教会
マドリッド
スペイン広場
グラナダ
アルハンブラ宮殿
バルセロナ
サグラダ・ファミリア教会

情熱のスペイン金環日食2005(主催:クラブツーリズム株式会社)

観測地はマドリッド南側に位置する、カサ・デ・カンポという半自然型公園。宿泊するホテルからも近く、空が開けています。スペイン周遊観光付プラン(8日間コース)は、10月1日(土)〜8日(土)の8日間で 28万8000円。観測地下見、金環日食観測の後は、マドリッド市内、コルドバ、グラナダ、バレンシア、バルセロナと、スペインの主な観光地を巡ります。

短期プラン(5日間コース)は、10月1日(土)〜5日(水)の日程で 19万8000円。マドリッド市内観光付で、トレド観光とパスタの夕食・セビリア半日観光・フラメンコディナーショー(オプション)も楽しめます。

クラブツーリズム株式会社主催「情熱のスペイン金環日食2005 8日間/5日間」
観測ツアー案内のPDFファイルをダウンロード(club_spain.pdf、2.1MB)

より詳しい資料の請求、お問合せは下記まで。
ツアー参加申込みは、9月16日(金)まで
〒160-8308 東京都新宿区西新宿6-3-1 新宿アイランドウィング6階
クラブツーリズム(株)スペイン金環日食係
電話: 03-5323-5566 Fax: 03-5323-6849
メール: star@club-tourism.co.jp
担当: 浅野、木川田(きかわだ)、高山

10.3 スペイン金環日食観測と世界遺産紀行(主催:阪急交通社メディア営業部)

9月28日(水)〜10月5日(水)の8日間で 28万7000円。マドリッド、グラナダ、セビリア、コルドバと巡って、再び日食観測地であるマドリッドへ戻り、前日に下見を行い、金環日食当日を迎えます。途中、スペイン新幹線AVEにも乗車します。

阪急交通社メディア営業部主催「10.3 スペイン金環日食観測と世界遺産紀行 8日間」
観測ツアーウェブサイト: http://www.hankyu-travel.com/eclipse/spain/

より詳しい資料の請求、お問合せは下記まで。
ツアー参加申込みは、9月13日(火)まで
〒105-0004 東京都港区新橋3-3-9 阪急交通社ビル1階
(株)阪急交通社 メディア営業部 天文ツアーデスク
電話: 03-3508-0177 Fax: 03-3508-8813
メール: dantai-trapics@hei.hankyu.co.jp

「エクリプスナビゲータ」で金環日食の観測計画を立てる

「エクリプスナビゲータ」は日食ファン必携の日食現象専用シミュレーションソフトです。

日食帯の表示や、接蝕時刻、天空上での日食経過を表示させて、観測計画を立てるだけでなく、リアルタイム運転で、各接蝕時刻までのタイムテーブルを表示したり、音声で知らせる機能も備えています。「エクリプスナビゲータ」でご利用いただける最新ベッセル要素アップデータを追加することで、今回のスペイン・アフリカ金環日食の最新データをはじめ、2006〜2010年に起こる9回の日食と、2013年・2031年の金環皆既日食をシミュレーションすることができます。

製品やアップデータについて、詳しくは下記の関連リンクをご覧ください。

<関連リンク>

<関連ニュース>