H-IIAロケット11号機、技術試験衛星「きく8号」の打ち上げに成功
【2006年12月18日 宇宙航空研究開発機構】
技術試験衛星きく8号(ETS-VII)を搭載したたH-IIAロケット11号機が、18日15時32分に打ち上げられ、その後順調に飛行したロケットから「きく8号」が無事分離されたことが確認された。
「きく8号(ETS-VIII)」は、テニスコートほどの大きさをもつ2つの大型展開アンテナと2つの太陽電池パドルを持った世界最大級の静止衛星で、衛星全体の重量はおよそ3トンになる。今までの日本の衛星の中でもっとも重いきく8号(ETS-VII)の搭載を可能にするために、H-IIAロケットの固体ロケットブースタ(SRB-A)は従来の2本から4本に増やされ、打ち上げ能力が約6トンまでアップされた。今回は、この新型H-IIAロケット11号機「H-IIA204」型にとって初の打ち上げとなった。
「きく8号」の運用開始後にもっとも期待されているのは、日本列島全域をカバーする小型携帯移動端末による通信だ。山間部や海上など、携帯電話が使えない場所において、携帯電話サイズの小型移動端末を使用した通信が可能となるのだ。これにより、災害時の救援の迅速化が図られることになる。