太陽観測衛星STEREOの初画像
【2006年12月21日 NASA Mission News】
今年10月に打ち上げられたNASAの太陽観測衛星STEREOから、初画像が届いた。画像には、活発な磁気活動を見せる領域が複数とらえられており、コロナ質量放出(CME)やフレアも見ることができる。
STEREOがとらえたループ構造の画像。クリックで拡大(以下同じ)(提供:NASA(以下同じ))
STEREOに搭載された極紫外線望遠鏡(EUVI)による画像。擬似カラーは、異なる温度領域を示している。温度は、左上から時計回りに摂氏100万度、150万度、6万〜8万度、250万度
STEREOに搭載されたコロナグラフSECCHI/Cor2がとらえたコロナ質量放出の画像
NASAゴダード宇宙センターで、STEREOの計画にたずさわる科学者Mr.Michael Kaiser氏は、「われわれは、STEREOから次回届く3D画像を、まさに息をのむ思いで心待ちにしています。必ず、太陽の謎を解明する興味深い答えがとらえられていることでしょう」と話している。
2機の衛星AとBからなるSTEREOが3D観測を開始するのは、2007年4月から。太陽フレアやコロナ質量放出(CME)を立体的にとらえ、それぞれの発生のメカニズムや地球に及ぼす影響などについて明らかにされることが期待されている。
太陽からは何が放出されている?
太陽が放出しているのは光や熱だけではない。実は太陽大気そのものも少しずつ放出されているのだ。これは太陽風と呼ばれていて、おもに原子が分解して陽子と電子になった高エネルギーの荷電粒子(プラズマ)からなり、そのスピードは地球周辺で秒速500キロメートルだ。また、太陽活動の活発な時期に太陽表面の黒点部分で起こることが多いフレアが発生すると、陽子や電子などの高エネルギー粒子だけでなく、X線やガンマ線が多量に放出される。(「150のQ&Aで解き明かす 宇宙のなぞ研究室」 Q046 太陽からは何が放出されている?より)