冥王星が「ワード・オブ・ザ・イヤー」「ネーム・オブ・ザ・イヤー」を獲得

【2007年1月10日 American Dialect Society

米国方言学会(American Dialect Society)が毎年行っている「ワード・オブ・ザ・イヤー」に、Pluto(冥王星)という言葉を他動詞として使う「Plutoed」が選ばれた。「Plutoed(※)」は「降格」や「ものや人の価値を低く評価する」という意味で使われ、昨年採択された新惑星定義から冥王星が惑星から外されたことに由来している。

ジョージア州立大学の教授であり、ワード・オブ・ザ・イヤー選考委員会長を務めるWayne Glowka氏は、「この学会が純粋に科学的関心事に焦点を合わせたのは良かった。ある意味、このノミネートは宇宙からやってきたと言えるかもしれない」とコメントしている。

ちなみに、決選で票を争ったのは「climate canary」(気候のカナリア)」という言葉で、気候変動によりもっとも早く影響を受ける人々や生物を表す新造語。「ワード・オブ・ザ・イヤー」の候補となる言葉は、決して新しい言葉である必要はなく、過去1年間に注目されたり、目立ったものであればよい。米国の雑誌“Time”が毎年「Person of the Year」(今年の人)を発表しているのと同様のものだ。

米国方言学会は117年の歴史を誇る学会で、会員は主に言語学者や辞書編集者、語源や文法の専門家、歴史家、作家や編集者、さらに研究家や大学生なども含まれている。

なお、「Pluto(冥王星)」という言葉は、米国名称学会(American Name Society; ANS)の「ネーム・オブ・ザ・イヤー2006」も受賞している。同学会の会長を務めるCleveland Evans氏は、「われわれの学会では、冥王星降格に対する一般の人々のひじょうに大きな反響によって『Pluto(冥王星)』という名前の重要性が示されたと考えています。現在われわれにとって『Pluto(冥王星)』とは、もはやギリシャ神話の神の名前というよりは、むしろもっと個々人と結びつきをもった天体の名前なのでしょう」と話した。

※アストロアーツ注:ワード・オブ・ザ・イヤー2006の正式ノミネートは「to pluto/be plutoed」となっています。