中国の月探査衛星「嫦娥1号」、打ち上げ成功

【2007年10月26日 中国国家航天局ESA

北京時間10月24日午後6時5分(日本時間午後7時5分)、中国国家航天局(CNSA)は月探査衛星「嫦娥1号」を乗せた長征3号ロケットの打ち上げに成功した。嫦娥1号は中国初の月探査衛星で、月の立体画像の取得などを行う。


(嫦娥1号の想像図)

嫦娥1号の想像図(提供:CNSA )

嫦娥1号を乗せた長征3号ロケットは、中国四川省の西昌宇宙センターから打ち上げられた。衛星とロケットの分離も成功し、現在は地球周回軌道を飛行中である。11月初頭に月周回軌道に入り、11月末から画像の取得を開始することになっている。観測期間は1年間の予定。

嫦娥1号には4つの探査目標が設定されている。1つ目は、月のさまざまな地形の3次元画像を取得し、主要な地質構造をカバーする地図を作ること。この中には、水の氷が存在するかもしれないといわれる極地方も含まれている。2つ目は、14種類の元素の月面上における分布を調べること。3つ目は月の土壌の深さを調べることで、4つ目は地球と月の間の「宇宙天気」を観測することだ。

中国は2020年までに無人探査機の月着陸とサンプルリターンの成功を目指していて、嫦娥1号には技術試験という目的もある。

9月14日に打ち上げられた日本の月周回衛星「かぐや(SELENE)」は、ちょうど月周回円軌道に到達したところだ。来年にはインドとアメリカがそれぞれ月周回機を打ち上げる予定で、アポロ計画以来の月探査ラッシュが始まろうとしている。