アンドロメダ座大銀河M31に明るい新星が出現

【2007年11月21日 VSOLJニュース(183)】

佐賀県みやき町の椛島冨士夫(かばしまふじお)さんと福岡県久留米市の西山浩一(にしやまこういち)さんが、アンドロメダ座大銀河M31に新星を発見された。


(VSOLJニュース)

(著者:山岡均さん(九大理))

アンドロメダ座大銀河は、私たちの銀河系よりもやや規模が大きい恒星集団です。星の数も多く、また星間吸収によって暗くなる割合が低いため、新星は年間で数十個出現し発見されています。発見される新星の多くは17等級ほど(絶対等級でマイナス7等ほど)の明るさですが、たまに、もっと明るいものが出現します。今回発見された新星は、15.0等級前後にまで明るくなっており、アンドロメダ座大銀河の距離では最大級に明るいものです。

今回の新星を発見したのは、福岡県久留米市の西山浩一(にしやまこういち)さんと、佐賀県みやき町の椛島冨士夫(かばしまふじお)さんです。このお二人は9月に、アンドロメダ座大銀河とほぼ等距離にある、さんかく座のM33銀河で新星を発見され(VSOLJニュース 181)、また10月にはアンドロメダ座大銀河で別の新星を発見されています。今回の新星の位置は以下のとおりです。10"ほどのところに13等級の星があり、明るさの測定には注意が必要です。

  赤経  00時44分54.60秒
  赤緯 +41度37分40.0秒 (2000年分点)
  M31のDSS画像に重ねて表示した新星

報告された発見以来の明るさの変化(いずれもフィルターなしのCCD画像での測定)は以下のとおりです。明るい新星は光度変化が速いため、今後の動向が注目されます。

  11月16.51日   17.7等
      17.59日   16.9等
      19.51日   15.1等
      20.385日  14.9等
      20.507日  15.3等

M31の新星の位置

この天体を天文シミュレーションソフトウェア「ステラナビゲータ」で表示して位置を確認できます。ご利用の方は、ステラナビゲータを起動後、「データ更新」を行ってください。

<参照>

  • IAUC 8898(2007 Nov 20)

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