日本の宇宙開発の方向性に、国民の意見156件

【2008年2月25日 文部科学省

日本の宇宙開発の方向性はこれでよいのか。「宇宙開発に関する長期的な計画」の意見公募に対して、国民の意見156件が集まった。意見募集はパブリックコメント(通称パブコメ)と呼ばれる行政の手続きであるが、的を射た意見もあり一読の価値はあるだろう。


空へ挑み、宇宙を拓く JAXA

文部科学省は、「宇宙開発に関する長期的な計画」に関する意見募集の結果について、同省のウェブサイトで公開した(2008年2月20日公示)。

文部科学省の宇宙開発委員会は、今後20年〜30年の宇宙開発のあり方を展望し、今後約10年間で宇宙航空研究開発機構(JAXA)が果たすべき役割を定めるための「宇宙開発に関する長期的な計画」について審議を重ねてきた。その中間とりまとめについて、2008年1月18日〜31日に、郵送、電子メール、FAXで広く国民からの意見を募集した結果、合計156件の意見が集まった。公開された文書『「宇宙開発に関する長期的な計画」に関する意見募集の結果について』では、集まった意見と、宇宙開発委員会の考え方を読むことができる。

情報収集衛星は防衛省の仕事でありJAXAの予算でやるのはおかしい、といった意見や、「はやぶさ」の後継ミッションを望む声、「かぐや」のハイビジョン映像がNHKに独占され一般の人が自由に見られないことへの不満、広報部を強化すべしとする提案など、集まった意見の内容は多岐にわたる。

宇宙開発委員会では、中間とりまとめについて集まった意見をふまえて、「宇宙開発に関する長期的な計画」の最終とりまとめが行われる。この計画は、JAXAの中期目標のもととなるもので、今後の宇宙開発の大きな方向性を示すものだ。

広く国民の理解あってこその宇宙開発利用だ。マスコミ報道を通して知るだけでなく、国の宇宙航空政策が国民の意見を取り入れてどのように決まっていくのか、関心をもって見守ろう。

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