西山さんと椛島さん、M33に新星らしき天体を発見
【2008年3月4日 CBET 1272】
2月27日、福岡県久留米市の西山浩一さんと、佐賀県みやき町の椛島冨士夫さんは、有名な渦巻銀河であるさんかく座のM33に、16.5等の新星らしき天体を発見した。
福岡県久留米市の西山浩一(にしやまこういち)さんと、佐賀県みやき町の椛島冨士夫(かばしまふじお)さんは、2008年2月27.47日頃(世界時、以下同)に撮影した画像から、さんかく座の渦巻銀河M33(NGC 598)に16.5等の新星らしき天体があることを発見した。この新天体は、口径40センチメートル、f/9.8の反射望遠鏡にCCDカメラを取り付けて撮影した9枚の画像(露出時間30秒、フィルタなし)の中から発見され、兵庫県洲本市の中野主一さんを通して国際天文学連合に報告された。発見前の2月20日と21日の撮影画像(限界等級18.0〜18.1等)にはこの天体は写っておらず、また、Digital Sky Survey(DSS)の過去の撮影画像にも写っていなかったとのことだ。
位置はM33の中心から東へ330秒角、南へ8秒角のところにあり、赤経・赤緯は以下のとおり。今後しばらくは光度の推移が注目される。
赤経 01時34分16.42秒 赤緯 +30度39分28.6秒 (2000年分点) M33のDSS画像に表示した新星
西山さんと椛島さんは共同で系外銀河の超新星サーベイを行っており、M33には2007年9月にも別の新星を発見しているほか、アンドロメダ座大銀河M31にも多数の新星を発見している。
M33は私たちの銀河系と同じく局所銀河群を構成する銀河のひとつ。M31を中心としたサブグループに属し、距離はおよぞ250万光年。ほぼ真正面を向いており渦状の構造がよくわかる銀河としても知られる。
さんかく座の新星の位置
この天体を天文シミュレーションソフトウェア「ステラナビゲータ」で表示して位置を確認できます。ご利用の方は、ステラナビゲータを起動後、「データ更新」を行ってください。