【新製品情報】ライブビュー機能を搭載したペンタックスK20D発売

【2008年3月12日 ペンタックス株式会社

ペンタックスからデジタル一眼レフカメラK20Dが発売された。新開発のCMOSセンサーを採用し、機能面ではボディ内手ぶれ補正、ゴミ除去機構、ライブビューという、今どきの一眼レフの3つのセールスポイントを装備した本格派だ。天体撮影用途での注目機能を見てみよう。


(ペンタックス K20Dの画像)

ペンタックス K20D。装着されているレンズはDA16-45mmF4ED AL(提供:ペンタックス株式会社)

3月7日、ペンタックスからデジタル一眼レフカメラK20Dが発売された。2006年11月に発売されたK10Dの後継機であり、外観はK10Dとよく似ている(よく見るとPENTAXのロゴが変更されている)。しかしK20Dの中身はK10Dから大きく進化しており、天体撮影用途でも注目機能の多い新製品だ。

採用された撮像素子はペンタックス、韓国のサムスンテックウィン、サムスン電子の共同開発による有効画素数約1460万画素のCMOSセンサー。ボリュームゾーンと呼ばれる各社のAPS-Cサイズクラスのカメラとしては、過去最多の画素数だ。一般論として、画素数アップは1画素あたりの受光面積が小さくなるためマイナス要因と言われている。しかしK20DのCMOSセンサーは、受光部周辺の配線・回路部分が微細化され、画素サイズを小さくしても受光部の大きさを維持したという。また、回路の薄型化により、斜めに入射する光も効率的に受光部に導くことができるようになり、受光部表面のマイクロレンズ間の隙間を小さくして高い受光効率を確保。高い受光能力により、デジタル画像に最適化されていないフィルムカメラ用のレンズにも対応した。

ノイズ除去のプロセスは、CMOSセンサーから信号を読み出して電圧変換するアナログ処理の段階で対策が施され、さらにカメラの頭脳にあたる画像処理エンジンPRIME(プライム)で独自のデジタルノイズ除去が行われる。

機能面ではペンタックスの一眼レフで初となるライブビュー機能が目をひく。ライブビューは8倍までの拡大表示ができ、拡大表示位置は任意で移動できる。撮影後の画像再生では、2枚の画像の拡大率や表示位置を同時に変更できる「比較表示」ができるようになった。ピントや露出の最終確認にも便利に使える機能だろう。

撮像素子を振動させてゴミやホコリを振り落とすダストリダクション機能は、天体望遠鏡にカメラボディを装着することの多い天体撮影では心強い仕様だ。ローパスフィルターに付着した異物の位置をチェックできる世界初のダストアラート機能も搭載され、ユーザーが清掃する場合の便宜も図られている。

モードダイヤルに独立して設けられたバルブモードは健在。バルブモードの制御は、別売のパソコン接続ソフト「PENTAX REMOTE Assistant 3」で行うことができる。バルブモード以外で動作するインターバル撮影機能をカメラボディだけで実現している点も特筆に値する。インターバル撮影では、撮影枚数、撮影間隔(1秒〜24時間)、撮影開始時刻を設定することができる。

記録形式はRAW(12bit)あるいはJPEG(RAWとJPEGの同時記録可)。JPEG画像の画質の選択に「S.ファイン」よりも高画質な「プレミアム」が設けられた。JPEG圧縮による画質の劣化を最小限に抑えることができ、天体撮影用途でも有用な設定だ。

ノイズリダクション機能は、K10Dではユーザーが処理の有無を選択できたが、K20Dでは処理の有無をカメラが判断する「オート」、あるいは常時ノイズ除去を行う「オン」のいずれかという選択肢になった。カメラにノイズ除去を任せるという使い方ならば問題ないが、ダーク画像を自分で取得し、後処理に手間をかけて天体画像を仕上げていこうという場合には不向きな仕様と言わざるを得ない。K20Dでは長秒時ノイズリダクションとは別に、オフ/オンを切り替えられる高感度ノイズリダクションが搭載されている。ISO感度設定は最高ISO3200、カスタム機能でISO6400までの設定がある(バルブ時はISO1600まで)。

低消費電力、防塵・防滴構造など、天体撮影の安心感を支えるボディとしての魅力も備えている。アストロアーツ星ナビ編集部ではK20Dの画質の評価を終えていないが、機能的には見どころの多いデジタル一眼レフカメラである。実勢価格は150,000円前後(ボディのみ)。仕様の詳細や一覧については、以下の関連リンクを参照のこと。

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