ヘール・ボップ彗星が、彗星活動の最遠観測記録を更新
【2008年4月14日 arXiv.org】
昨年秋に行われたヘール・ボップ彗星(C/1995 O1)の観測から、同彗星が活動を示していることが明らかとなり、彗星活動の最遠観測記録を更新した。
近日点通過から11年が経過したヘール・ボップ彗星(C/1995 O1)が、太陽から25.7天文単位(1天文単位は地球と太陽の平均距離で約1億5千万km)の距離にありながら、いまだに活動していることが明らかとなった。
ヘール・ボップ彗星の観測を行ったのは、豪・シドニー大学のGy. M. Szabo氏とL. L. Kiss氏、およびK. Sarneczky氏。3氏が昨年10月の観測で検出したヘール・ボップ彗星のコマは、やや南北方向にのびて拡散しており、赤っぽい色で、直径は18万kmだった。
彗星活動がとらえられた過去の例としては、シューメーカー彗星(C/1987 H1)の18天文単位や、小惑星キロンの18.8天文単位という観測があるが、ヘール・ボップ彗星(C/1995 O1)の25.7天文単位は、それらをはるかに超えている。
さらに注目したいのは、ヘール・ボップ彗星がハレー彗星(1P)の記録を塗り替えられるかだ。彗星の活動は観測されなかったが、1986年に太陽に近づいたハレー彗星は、2003年に太陽から28天文単位、明るさ28等で観測された。一方、ヘール・ボップ彗星は今回、25.7天文単位、明るさ20等でとらえられた。今後ヘール・ボップ彗星がハレー彗星を越える存在となるのか、両彗星ぞれぞれに関する次の観測に注目したい。