カッシーニ、土星で5か月前に発生した嵐を追う

【2008年5月2日 JPL

NASAの土星探査機カッシーニは、土星で5か月前に発生した巨大な嵐を観測し続けている。これほど長い間続く嵐を観測するのは、カッシーニにとって初めてのことだ。


(土星の嵐をとらえた画像)

土星の嵐。クリックで拡大(提供:NASA/JPL/Space Science Institute)

土星探査機カッシーニは、土星の南半球で5か月前に発生した嵐を観測し続けている。嵐といっても、渦の直径は数千kmに及び、地球の嵐に比べて稲妻のパワーは1万倍以上もある。

カッシーニに搭載されている電波・プラズマ波観測装置(RPWS)がこの嵐の雷に伴う電波を初めて検出したのは、2007年の11月27日。その姿が画像にとらえたのは、12月6日のことだ。土星では、2004年と2006年にも、カッシーニによって嵐が観測された。しかし、いずれも1か月ほどでおさまっている。

この嵐の観測から、稲妻に強力なエネルギーが与えられるプロセスについて、情報が得られると期待されている。

公開された画像は、カッシーニが3月4日に土星から約130万kmの距離で撮影したもの。左側の画像は、人間の目で見た色合いに近く、右側は嵐をより見やすくするために色が強調されている。