宇宙飛行士の落とし物
【2008年11月26日 NASA News】
スペースシャトル「エンデバー号」(STS-126 / ULF2)の乗組員が、船外活動中に工具を収納するバッグを落としてしまった。その後バッグは、8等ほどの明るさで光っているようすが地上から目撃された。
米国東部時間の18日、国際宇宙ステーション(ISS)では、スペースシャトル「エンデバー号」(STS-126 / ULF2)ミッションにおける第1回目の船外活動が行われた。
この日の作業には、太陽電池パドル回転機構(SARJ)の潤滑作業が含まれていた。船外活動中、宇宙飛行士Stefanyshyn-Piper氏は、用意していた潤滑剤用ガン(銃のような形をした潤滑剤の注入器)の1つから、潤滑剤がクルーロック・バッグに漏れ出したことに気付いた。このバッグは、船外活動中に宇宙飛行士が使用する工具を収納するカバンである。
Stefanyshyn-Piper氏が中の汚れを落としている間にバッグは外れ、ISSの船尾方向に飛んでいってしまった。バッグの中には、潤滑剤用ガン、汚れ落とし用のヘラ、ふき取り用の布などが入っていた。Stefanyshyn-Piper氏らは予備用バッグの工具を使い、無事に残りの船外活動を行った。
その後、このバッグは米やカナダなどで相次いで目撃された。インターネット上に寄せられた情報では、バッグは白っぽく、太陽光を反射しており、8等かそれ以上の明るさだったと報告されている。
なお、地球付近における環境などの情報を扱うウェブサイトSpaceWeather.comでは、ISSとバッグを監視しており、いつ、どこで見えるかなどの予報情報を発信している。双眼鏡を用意して、上空にISSとバッグを探してみてはいかがだろうか。