年末年始にも相次ぐ超新星発見、日本人100個目は群馬県の小林さん
【2009年1月2日 VSOLJニュース(209)】
群馬県の小林隆男さんが、りょうけん座の渦巻銀河NGC 4846に超新星2008ipを発見された。小林さんはこれまでに彗星1つと小惑星2000個以上を発見されているベテラン天体捜索者だが、超新星の発見はこれが初めて。今回の発見で、日本人が発見した超新星(独立発見を含む)は100個となった。
VSOLJニュースより
冴えた冬の空に年末年始の休暇が重なり、天体捜索者の活躍はこの時期にもますます高まります。昨年には、除夜の鐘がなりやまぬ頃に日本人による超新星発見がありました(VSOLJニュース 187)。本年も再び、日本時間での1日未明に、日本で超新星が発見されました。発見したのは群馬県大泉村の小林隆男(こばやしたかお)さんです。小林さんは、小惑星を2000個以上、周期彗星も1個発見された大ベテラン天体捜索者ですが、超新星を発見されたのはこれが初めてです。
小林さんは、12月31.75日(世界時、以下同様)に撮影したりょうけん座の渦巻銀河NGC 4846のCCD画像に、15.7等の新しい光点を見いだしました。小林さんの確認観測では、翌1.627日にはこの天体は15.5等とわずかに明るくなっています。発見時刻は、日本時間に直すと1月1日午前3時ですが、世界時に基づいて2008年の天体発見として、超新星2008ipと命名されています。天体の位置は以下のとおりです。NGC 4846の中心から東に30秒角、北に18秒角のところにあたります。
赤経 12時57分50.20秒 赤緯 +36度22分33.5 秒(2000年分点) NGC 4846の周辺星図と、DSS画像に表示した超新星2008ip
埼玉県上尾市の門田健一(かどたけんいち)さん、山形市の板垣公一(いたがきこういち)さん、またロシアのグループによっても確認観測がなされています。
2008年末に続いて、2009年も年明けから天体発見が相次いでいます。日本人天体捜索者の活躍から目が離せません。
超新星2008ipの位置
この天体を天文シミュレーションソフトウェア「ステラナビゲータ」で表示して位置を確認できます。ご利用の方は、ステラナビゲータを起動後、「データ更新」を行ってください。
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