研究に役立つ!コロナ観測に参加しよう

【2009年6月25日 国立天文台 太陽観測所

国立天文台太陽観測所では、7月22日の皆既日食時でコロナを撮影するアマチュア観測者に、研究のための画像を提供して欲しいと協力を呼びかけている。


(2008年8月1日に撮影された内部コロナの画像)

(2008年8月1日に撮影された外部コロナの画像)

(上)内部コロナと(下)外部コロナ。クリックで拡大(撮影者/相原 理己、撮影日/2008年8月1日、撮影地/中国金塔県金鼎湖付近)

現在、太陽コロナの観測は人工衛星が主流だ。しかし、衛星が観測する波長では、100万から500万度以上という幅広い温度を持つコロナの特定の領域しか観測できない。

皆既日食のときに肉眼で見えるコロナ(白色光コロナ)は、コロナ全体の物質分布を示している。とくに、内部コロナの白色光は、皆既日食の時にしか観測できない。

7月22日の皆既日食では、プロの研究者の観測隊が数多く派遣されるが、その大半は中国で観測する。そのため、中国からさらに太平洋に至る広い範囲に分散する多数のアマチュアの観測によって、貴重なデータが蓄積できると期待されている。そのため、国立天文台太陽観測所の花岡庸一郎准教授らは、アマチュアによるコロナのネットワーク観測への参加を呼びかけている。

必要な機材はデジタル一眼レフカメラと小望遠鏡(または望遠レンズ)である。いくつかの点に注意すれば、多数の画像をコンポジットすることで、コロナの微細構造を明らかにすることができる。

詳細は「アマチュアによるコロナの科学的観測」のホームページを参考にされたい。観測データを得るためのカメラの設定や撮影の方法などを解説しているので、参考にしてみよう。7月22日には、きれいなコロナの写真を撮るだけでなく、研究に役立つ貴重なデータを取得してみてはいかがだろうか。

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