「八重山高原星物語2009」とVERA入来局の施設公開

【2009年8月4日 国立天文台 アストロ・トピックス(491)

国立天文台では、毎年伝統的七夕に合わせ、鹿児島県薩摩川内市の八重山高原でイベントを開催している。今年は世界天文年2009公認イベントとして、また薩摩川内市の市制施政5周年記念事業として、実験、施設公開、星空観望会など企画が盛りだくさんだ。


アストロ・トピックスより

今年も「天の川が流れるころ、あなたの星物語が始まります」というキャッチコピーで知られる「八重山高原星物語」が鹿児島県薩摩川内市(さつませんだいし)の八重山高原(鹿児島大学農学部附属農場入来牧場)で開催されます。

伝統的七夕(注)に天の川を見ることをきっかけに、夜空の月や星を見ようと2002年から始まったこのイベントは今年で8回目となります。国立天文台のVERA入来(ベラ いりき)観測局と鹿児島大学理学部の光赤外線望遠鏡の施設公開と合わせて行われるもので、今回は世界天文年2009公認イベントとしての開催です。

また、薩摩川内市の市制施政5周年記念事業でもあるため、せんだい宇宙館と連携した企画も用意されています。さらに観測の完了を記念して、月探査衛星「かぐや」の成果についても展示が行われます。

その他には、毎回大人気の親子で楽しむ科学実験や、観測室で開催されるミニ講演会、恒例となったペットボトルロケット作り、飛翔距離のコンテストなどがあります。夜間には、天体望遠鏡を使った星空観望会があり、天候が良ければ天の川や夏の星座を見ることができます。

開催場所である八重山高原は、北薩摩地区の屋根とも言える標高530mに位置しています。高原に広がる入来牧場も公開され、構内に設置されている口径20mの電波望遠鏡は、国立天文台が「天の川銀河の地図づくり」で、世界の先端を行く成果を挙げているものです。他には、九州で最大の口径を誇る鹿児島大学の直径1mの光赤外線望遠鏡もあります。どちらも観測室と合わせて内部まで見学することができます。とくにこの日しか見学できない電波望遠鏡ツアーは、毎年大好評です。夏休みの自由研究にこれらのイベントに参加してみてはいかがでしょうか。

■ 開催日:
2009年8月8日(土)
■ スケジュール:
午前の部 9:00-12:00
場所:内之尾の棚田
メインイベント 12:00-21:00
場所:八重山高原(鹿児島大学農学部附属農場入来牧場)
■ 内容:
施設公開、実験と展示、銀河ステージなど
午前の部では、リバースクール「天と地を流れる河を探検しよう」を開催
※イベントについての詳細は、関連するウェブページをご覧ください
■ お問い合わせ先:
八重山高原星物語2008実行委員会事務局(薩摩川内市入来支所)
電話:0996-44-3111
国立天文台VERA入来観測局
電話:0996-21-4175
鹿児島大学理学部面高研究室
電話:099-285-8973

会場内には売店もあり、地元の物産の販売も行われ、食事もできます。八重山高原は、空気も食べ物もおいしい所です。多くの皆さまのお越しをお待ちしております。

注:伝統的七夕とは、いわゆる旧暦と呼ばれる太陰太陽暦における7月7日に近い日付けになるように設定した日。国立天文台では2001年から広く報じている。詳細は国立天文台の「よくある質問」のページを参照のこと。