天文雑誌「星ナビ」2008年6月号の表紙画像、
および2009年10月号の表紙画像について
【2009年9月28日 アストロアーツ「星ナビ」編集部】2010年10月20日更新
当社(株)アストロアーツが編集・発行している月刊の天文雑誌「星ナビ」の2009年10月号(2009年9月5日書店発売)の表紙に掲載した画像が、チェコ共和国のMiloslav Druckmüller氏がWebページで公開している画像と酷似している件について、画像提供者である沖縄県の宮城隆史氏に事情説明を求めていました(9月18日付のアストロアーツニュース/天文雑誌「星ナビ」2009年10月号の表紙画像について)。この件に関して、宮城氏から「一連の不正を認め、謝罪したい」という連絡がありました。
宮城氏からの連絡によると、「星ナビ」2009年10月号の表紙画像は、チェコ共和国ブルノ工業大学機械工学部数学研究所のMiloslav Druckmüller氏がWebページで公開している画像を無断で複製加工し、撮影データとコメントを偽って発表したものだということです。
この「星ナビ」2009年10月号表紙画像の盗用疑惑が公になって以降、「星ナビ」編集部は、2008年6月号表紙画像も、同様にDruckmüller氏がWebページで公開している画像と酷似していることを指摘し、宮城氏に事情説明を求めていました。宮城氏によると、この件に関しても画像を無断で複製加工し、撮影データとコメントを偽って発表したものだということです。なお、2008年6月号表紙画像は、当社が編集・発行したムック「皆既日食2009」の2-3ページにも掲載しています。
「星ナビ」編集部では、これらの盗用疑惑に関してDruckmüller氏と連絡を取ってきましたが、宮城氏のDruckmüller氏への謝罪文を転送するとともに、宮城氏が不正に複製加工した画像を掲載したことを謝罪しました。また、宮城氏は「星ナビ」読者の皆さんに対しても謝罪の意を表して当社に謝罪文を送付してきたので、以下に全文を掲載いたします。さらに、10月5日書店発売の「星ナビ」11月号で、これらの日食画像の不正使用に関してここまでの経緯を報告するとともに、不正に複製加工された画像と虚偽の撮影データを掲載したことを読者の皆さんに謝罪いたします。
文責:星ナビ編集人 川口雅也
《「星ナビ」日食画像について謝罪します》
Miloslav Druckmüller様
「星ナビ」読者の皆様
アストロアーツ星ナビ編集部 および 関係者の皆様
天文雑誌「星ナビ」2008年6月号、および2009年10月号の表紙に掲載された皆既日食画像は、チェコのMiloslav Druckmüller氏がWebページで公開されている画像を複製加工し、私の協力者が撮影した画像を合成するなどの不正な加工を施したものでした。
2008年6月号表紙画像は、複製加工した日食画像の色調やコントラストを調整し、角度を変えてトリミング、手書き補正加工などをしたものです。2009年10月号表紙画像も同様に複製加工した上で、私の協力者が喜界島で撮影した最内側のコロナやプロミネンス画像を重ね、画像周辺部のコロナの描写を手書きにて修正加工したものです。
いずれの画像も、Miloslav Druckmüller氏の日食画像を無断で使用し、合成や手書き補正など改変を加えた上で、撮影データを偽装し、私の名前で(2009年10月号表紙は撮影協力者の名とともに)発表しました。
私は、これらの不正行為を認め、Miloslav Druckmüller氏 および、「星ナビ」読者の皆様、アストロアーツ星ナビ編集部 および、関係者の皆様に多大なるご迷惑をおかけ致しましたことと、非常に不快な思いをさせたことを深くお詫びいたします。
私は、これらのことを深く反省するとともに、二度と他の方の著作権を侵害するような表現行為をしないことを誓います。自ら(協力者も含む)撮影した画像素材を使い、コラージュ合成、イメージ合成などを施した場合も、その加工過程を明確に説明文に記すことを誓います。
2009年9月28日 宮城隆史
※2010年10月20日更新分:この問題の経過については、以下の関連ニュースもあわせてご覧ください。
- 2010/10/20 - 宮城(下地)隆史による画像盗用事件の顛末
- 2009/10/16 - 一連の天体画像不正疑惑の調査状況についての続報
- 2009/10/09 - 一連の天体画像不正疑惑の調査状況について