【訃報】国立天文台などの名誉教授 森本雅樹氏

【2010年11月17日 アストロアーツ】

鹿児島大学、国立天文台および東京大学の名誉教授で、天文学者の森本雅樹(もりもとまさき)氏が11月16日、心不全のため死去されました。享年78歳。森本氏は主に電波天文学の分野でご活躍され、野辺山宇宙電波観測所長や国際天文学連合 電波天文学委員会委員長などを務められました。また、天文普及にもご尽力され、わかりやすい解説で「森本おじさん」の愛称で親しまれてきました。


(森本雅樹氏の写真)

森本雅樹氏。2009年12月5日に神戸で開催された「世界天文年2009 グランドフィナーレ」にて(撮影/星ナビ編集部)

森本雅樹氏は1932年東京生まれ。国立天文台教授、鹿児島大学教授、西はりま天文台公園公園長などを歴任されました。

専門は電波天文学で、国立天文台6mミリ波望遠鏡や野辺山宇宙電波観測所などの建設にも尽力。1987年にはミリ波天文学の分野における功績により、海部宣男氏(前・国立天文台長、現在 国立天文台名誉教授)とともに仁科記念賞を受賞されています。また、SETI(地球外知的生命体探査)の、国内における主導者の一人でもありました。

お酒が大好きな方で、15日夜はイベント出席先の鹿児島県で歓談されていたとのことです。日本が打ち上げた電波天文衛星「はるか」にはVSOP(VLBI Space Observatory Program)という通称がありますが、これは森本氏らが語呂合わせでつけたものです。

天文普及活動にも広く携わり、さまざまな講演会や観望会にご参加されました。天文雑誌「星ナビ」で連載中の「やみくも天文同好会」の、マサキモ先生のモデルとなった方でもあります。

森本雅樹氏のご冥福を心よりお祈りいたします。

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