「次世代超大型天体望遠鏡」マウナ・ケア山での建設、運営許可下りる

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【2011年3月3日 Thirty Meter Telescope

TMT」は、2018年末の稼働開始を目指して現在計画が進められている口径30mの光学赤外線・次世代超大型天体望遠鏡だ。建設が予定されているマウナ・ケア山山頂は保護地区であるため建設や運用には関連機関による許可が必要だが、このたび許可が下り、建設に向けて一歩前進した。


(TMTの完成予想図 )

TMTの完成予想図(提供:国立天文台)

すばる望遠鏡をはじめ口径8m級の望遠鏡が並ぶハワイ島マウナ・ケア山に、口径30mの光学赤外線・次世代超大型天体望遠鏡を建設するプロジェクトが日本、アメリカ、カナダ、中国、インドなどの協力によって進められている。

より遠くの、より暗い天体を見るためには、大気の影響が少なく晴天率の高い山の上などに建設する必要がある。このTMTもそのような理由でハワイ島のマウナ・ケア山の山頂付近に建設されることが予定されている。しかしマウナ・ケア山の山頂は保護区域に指定されているため、そこで新たな望遠鏡を建設、運用するためには関連機関による許可が必要である。

パブリックコメントや公聴会を経て、この計画による環境や文化的な影響(注1)が最小限に抑えられているとして、建設や運用に対する許可がハワイ大学に対して(注2)下りた。TMTは今後ハワイ大学からの貸し出し許可を得るための手続きに入ることになる。

望遠鏡の建設予定地はマウナ・ケア山に設けられた525エーカー(約2.1平方km)の天文学管区の中にあり、望遠鏡そのものの建設だけでなく、望遠鏡までの道路や観測をサポートするための施設、マウナ・ケア山の麓にあるヒロ市に設置される本部施設の建設もこのTMTのプロジェクトに含まれている。

注1:マウナ・ケア山はハワイの先住民に伝わる神話によれば神々が住む山であり、非常に神聖なものであるため、彼らに対する文化的な配慮も必要とされている。

注2:マウナ・ケア山にある天文学管区はハワイ大学がその他の機関に土地を貸すという形で運営が行われている。

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