国立天文台と7大学、GRBや超新星の観測で共同タッグ
【2011年6月23日 国立天文台】
国立天文台と国内の7大学が、それぞれの中小型望遠鏡を用いた観測で連携していくことを発表した。最先端共同研究と天文学教育の推進を目的とし、6年間実施する予定となっている。
国立天文台と、北海道大学、東京大学、東京工業大学、名古屋大学、京都大学、広島大学、鹿児島大学の7大学は22日、各機関が連携して観測研究および天文学教育を推進する共同事業を今年度から6年間実施することを発表した。
観測研究の主なテーマは、各機関が国内外に持つ中小望遠鏡を用いたガンマ線バースト、超新星、X線新星、激変星などの連携観測だ。いつどの位置で発生するかわからないこのような突発天体は日単位・月単位の短い時間で変化するため、発生のしくみなど詳細を知るためには発見後すばやく他の観測所と情報共有し、爆発後の残光や明るさの変化を可視光線や赤外線で追跡観測することが必要となる。世界各地に観測ネットワークを広げることで、このような天体や、ブラックホールや中性子星を持つ連星系の観測体制を強化するのが狙いだ。
また、学生が最先端の研究に直接参加したり、国立天文台との人的交流を深めたりすることで、研究の活性化を図ることもできる。
共同観測の第1回目はすでに4月〜5月に実施されており、4月26日に発見された超新星2011byや、45年ぶりの増光を見せたらしんばん座T星(2011/4/18 「反復新星『らしんばん座T』が45年ぶりに新星爆発」参照)などが観測された。研究成果は今年9月の日本天文学会秋季年会で発表される予定だ。