宇宙花火も観測! 延期していた観測ロケットの打ち上げに成功
【2012年1月12日 JAXA】
12日朝、地球大気の理解を深めることを目的とした観測ロケットS-520-26号機が、鹿児島県のJAXA内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられた。一部装置に不具合が見られたが、リチウム放出による赤い発光雲の観測に成功した。詳細な解析は今後実施される予定だ。
この実験は、熱圏下部(高度約80〜300km)を飛翔するロケットを用いて大気やプラズマなどの直接観測を行うことで、大気の物理過程に関する理解を深めることが目的となっている。また、リチウムガスを放出し、これが太陽光によって赤く光ることを利用して、中性大気の運動について地上からの観測も行われた。
当初、昨年末の12月24日に打ち上げる予定だったが、天候が悪いために数回延期されていた。
1月12日5時51分00秒にJAXA内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられたロケットは、278秒後に最高高度298kmに達した後、リチウム蒸気を放出し、内之浦の南東海上に落下した。
打ち上げ後44秒間は、地上の光学班によってロケットを確認することができ、内之浦のほか高知県の室戸、宿毛など各光学観測地点からリチウムガスによる赤色雲が約30分にわたって観測された。イオンを観測するイオン質量エネルギー分析器は所定の観測を行うことができなかったが、その他の電子や大気を観測する各種装置類は正常に観測・作動した。
今回取得されたデータは、今後詳細な解析が行われる予定だ。