輝く銀河の時計盤
【2012年3月14日 ESA/Hubble】
とけい座の美しい棒渦巻銀河NGC 1483をハッブル宇宙望遠鏡がとらえた。
NGC 1483は南天のとけい座にある銀河で、約4000万光年かなたに位置している。渦巻銀河のなかでも、中心部に棒状の構造が見られる棒渦巻銀河というタイプに属するものだ。棒渦巻銀河は珍しいものではなく、私たちの天の川銀河も含めて渦巻銀河の3分の2は棒渦巻銀河だと考えられている。
画像では、6時を示す時計の針にも見える棒状構造のほか、淡い腕やその中のところどころに分布する星形成領域(青い部分)も見られる。さらに背景には、NGC 1483よりも遠方にある銀河も多く写っている。
この銀河は、かじき座銀河群という銀河の集団(注)に属している。とけい座の隣、かじき座方向にあるこの銀河群は、約6200万光年かなたで70個ほどの銀河が緩く集まっているものだ。その大きな広がりと銀河の数は、「小規模な銀河団」とも言えるものだ。
注:「銀河群と銀河団」 重力でグループを作っている銀河の集団のことで、小規模なものを「銀河群」、大規模なものを「銀河団」という。