川崎で新しい星空体験を 「かわさき宙と緑の科学館」がオープン

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【2012年5月1日 アストロアーツ】

神奈川県にある川崎市青少年科学館がリニューアルし、「かわさき宙(そら)と緑の科学館」として4月28日にオープンした。注目は、大平技研の新型プラネタリウム「MEGASTAR III FUSION」とオリハルコンテクノロジーの「Uniview」、そしてアストロアーツの「ステラドームプロ」が融合して織り成す新しい星空体験だ。


サイエンスプリン

リニューアルした「かわさき宙と緑の科学館」。その外観から「サイエンスプリン」との愛称が付けられた。

リニューアルした「かわさき宙と緑の科学館(川崎市青少年科学館)」。その外観から「サイエンスプリン」との愛称が付けられた。クリックで拡大(撮影:月刊「星ナビ」編集部。以下同)

神奈川県川崎市の生田緑地に出現した巨大なプリン形の建物。4月28日にオープンした「かわさき宙(そら)と緑の科学館」、通称「サイエンスプリン」である。1971年に開館し、長く川崎市の子どもたちに親しまれてきた「川崎市青少年科学館」。今回のリニューアルにあたりプラネタリウムに導入されたのが、大平技研の最新鋭機「MEGASTAR III FUSION」(メガスター・スリー・フュージョン)だ。“FUSION(融合)”の名が示すとおり、光学式のもつシャープでリアルな星空と、デジタル式が作り出す自在な空間表現を融合させ、両者の特徴を同時に同じ星空で演出させるという新しいタイプのプラネタリウムである。

光学とデジタルをフュージョン

光学式とデジタル式を切り替えて使い分けるだけではなく、ソリッドステートシャッターによって星空をマスクすることによって、光学とデジタルをフュージョン(融合)させることができる。クリックで拡大

宇宙空間を自由に飛び回る「Uniview」による映像

宇宙空間を自由に飛び回る「Uniview」による映像。クリックで拡大

国司真さんと佐藤幹哉さん

かわさき宙と緑の科学館の国司真さん(奥)と佐藤幹哉さん(手前)。クリックで拡大

自作のプラネタリウム番組を投影

「ステラドームスクール」で川崎市内の小中学校のスカイラインを表示

川崎市内の小中学校を地上風景として表示できる「ステラドームスクール」。学校や市民のみなさんが作成したプラネタリウム番組を投影することもできる。クリックで拡大

館の「市民とあゆむ科学館」という理念に基づいて進められている学校教育との連携も大きな特徴だ。特に、市内公立学校の生徒たちが自分たちで制作したプラネタリウム番組をサイエンスプリンで投影することができるという「ステラドーム スクール」のシステムは、子どもたちの宇宙への好奇心を育てるという観点からも実に興味深い試みといえるだろう。

GM-II型投影機を展示

ロビーではGM-II型投影機を展示

ロビーには五藤光学研究所のGM-II型投影機が動態保存されている。クリックで拡大

施設の3階には、4台の大型望遠鏡を備えたオープンスペース「アストロテラス」があり、昼間の太陽観察や毎週土曜の天体観察会が開かれる。また、天文ファンとしてはリニューアルにともない引退したプラネタリウム「GM-II」の展示も見逃せない。これは動態保存となっていて、手元のスイッチを押して日周軸・年周軸・歳差軸などを回転させることができる。

同館のグランドオープンを伝えるポスターのキャッチフレーズには「川崎発、宇宙行き。」とある。自然散策に最適の季節、みんなで生田緑地へ、そしてそのまま宇宙まで飛び立ってみてはいかがだろう。

《かわさき宙と緑の科学館》

■ 所在地:
神奈川県川崎市多摩区枡形7-1-2
(生田緑地内)
■ アクセス:
  • 電車の場合
    小田急線 向ヶ丘遊園駅から徒歩15分
    JR南武線 登戸駅から徒歩25分
  • バスの場合
    武蔵溝ノ口駅、向ヶ丘遊園駅から市バス
■ 休館日:
毎週月曜日(祝祭日の場合開館)、祝祭日の翌日(土日の場合開館)
■ 開館時間:
9:30〜17:00
■ プラネタリウム投影時間:
  • 平日 15:00
  • 土・日・祝祭日 10:30(※子ども向け)/12:00/13:30/15:00
■ 入館料:
無料。プラネタリウム観覧料のみ
■ ウェブサイト:
http://www.nature-kawasaki.jp/