X線衛星「NuSTAR」打ち上げ ブラックホールや超新星残骸を観測

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【2012年6月14日 NASA

NASAのX線天文衛星「NuSTAR」が、日本時間13日未明にマーシャル諸島上空から打ち上げられた。ブラックホールや超新星残骸などからの高エネルギーX線を観測する。


NuSTARのイメージ図

軌道上でのNuSTARのイメージ図。クリックで拡大(提供:NASA/JPL-Caltech)

打ち上げの様子

NuSTARを搭載したロケットを飛行機から分離している様子。ロケットは5秒後に噴射し、衛星を軌道上に運ぶ。クリックで拡大(提供:Orbital Sciences Corporation)

NASAのX線天文衛星「NuSTAR」(Nuclear Spectroscopic Telescope Array:核分光望遠鏡アレイ)は、X線の中でもエネルギーの高い(周波数の高い)硬X線を観測する。具体的には、天の川銀河やその他の銀河にひそむ活発なブラックホールのほか、超新星残骸や中性子星、銀河団などが主な対象だ。

太平洋のマーシャル諸島共和国・クェゼリン環礁での打ち上げは空中発射方式で行われた。13日午前1時(日本時間)、航空機からNuSTARを搭載したペガサスXLロケットを投下、数秒後にロケット噴射して13分後にNuSTARを切り離し軌道に乗せた。これから1週間のうちに10mの伸展マストを広げ、23日後に観測オペレーションが始まる予定となっている。

「この新しいX線観測衛星の打ち上げをとても心待ちにしていました。これまで調査の進んでいなかった硬X線観測を高い分解能で行えるようになります。フェルミやチャンドラ、ハッブルやスピッツァーといった宇宙望遠鏡の大型ミッションを補完するデータが得られ、宇宙の新しい知見が得られるでしょう」(NASA宇宙物理学部門ディレクターのPaul Hertz氏)。