巨大画像で見る、巨大なはくちょう座ループ

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【2012年12月21日 NOAO

1500光年先に広がる巨大な超新星残骸「はくちょう座ループ」。満月の約45倍にも広がるその全容を、6億画素、およそ1.7GBもの巨大サイズで詳細にとらえた画像が初公開された。


はくちょう座ループ

6億画素の画像に収まったはくちょう座ループの全容。6億画素のフルサイズTIFF画像(1.68GB)などいくつかのサイズの画像をリリース元からダウンロードできる。クリックで拡大(提供:NOAO and WIYN partners)

1500光年先にあるはくちょう座ループは、約1000年〜1万年前に起こった超新星爆発により放たれたガスの残骸で、地上から見ると月の45倍近い面積にまで広がる巨大な天体だ。

1784年に英国の天文学者ウィリアム・ハーシェルが初めての観測記録を残しているが、あまりに大きいため、それぞれの部分が別の天体として分類されてきた。たとえば、東側(画像の左側)はNGC 6992、NGC 6995、IC 1340、中央上はNGC 6960(網状星雲)、西側(画像の右側)は「ピッカリングの三角」などといった具合である。

今回初公開の画像は、2003年に米国アリゾナ州キットピーク国立天文台の0.9m望遠鏡に広視野モザイクカメラを取り付けて撮影されたものだ。「天文学の研究では多くの場合、より深い分析のために、とらえた画像は地味な数値情報の表やグラフに変わってしまいます。ですがこのような画像は、我々を囲んでいる宇宙の美しさ、巨大なスケールを思い出させてくれます」(米アリゾナMMT観測所のRichard Coolさん)。

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