超新星爆発で作られる塵は大きかった

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【2014年7月11日 ヨーロッパ南天天文台

2010年に出現した超新星の観測から、爆発直後にはすでに大きな塵の粒子が生成され、数百日経った後も増加する時期があったことがわかった。超新星爆発での塵生成にまつわる疑問や課題の克服が期待される成果だ。


超新星爆発のCG図

超新星爆発のCG図。クリックで拡大(提供:ESO/M. Kornmesser)

矮小銀河UGC 5189A

矮小銀河UGC 5189A。超新星の出現前にハッブル宇宙望遠鏡が撮影したもの。クリックで拡大(提供:ESO)

銀河に漂う塵は、主に超新星爆発で生成されたと考えられている。だが塵の粒子がどのように固まり成長するのか、星が次々と生まれる銀河の厳しい環境でどうして壊れずに残るのかなどの疑問もあった。

そうした疑問を解く答えが、4年前に観測された超新星爆発の現場から見つかった。2010年11月、しし座方向の矮小銀河UGC 5189Aに発見されたSN2010jlは、大質量星が重力崩壊したIIn型超新星だ。Christa Gallさん(デンマーク・オーフス大学)らは、この超新星を出現から数ヶ月、さらに2年半経って再度、可視光と近赤外線で観測を行った。

その結果、爆発直後すでに1μm(=1mmの1000分の1)を超える塵が作られたことがわかった。これは宇宙の塵としてはひじょうに大きなサイズで、この大きさなら壊れずに残ることが説明できる。爆発の衝撃波が爆発前に放出された星の物質を伝わり、広がっていく低温の濃いガス層の中で塵が生成され、成長したようだ。

また今回の観測では、爆発後500日から900日の間にも、爆発放出物を材料とする加速的な塵の増加が起こっていることも見出された。以前の観測から、超新星残骸に大量の塵が見つかる一方で、超新星爆発間もないころの塵の生成量が少ないという結果が出ていた。だがしばらく経っても塵が作られるのであれば、この説明が可能となる。

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