バッチコンポジットに非常に長い時間がかかる
[バッチ]-[コンポジット]を実行するといつまでたっても処理が終わりません。
バッチコンポジット処理は設定によっては非常に時間がかかる場合があります。
とくに、
デジタルカメラの RAW 画像のコンポジットの場合
作業領域に画像をすべて開いてからコンポジットを行なうのではなく、[ファイルから追加]を使ってコンポジットを行なった場合
[合成方法]で[加算平均]を選び、[範囲外の値を除外]のチェックをオンにした場合
には非常に時間がかかります。
上記3点のうち、最も処理時間に影響するのは (B) です。
処理中は画面下のステータスバーに、
ファイルの読み込み中 → 自動調整中 → 範囲外の除外処理中
などの文字列が繰り返し表示されますが、この繰り返しの1回分が画像1枚の1ライン分の処理時間に相当します。
[原因]
一般に最近のデジタルカメラの RAW 画像は約1000万画素以上の画素数を持つ場合が多くなっているため、冷却 CCD の画像に比べて処理に時間がかかります。
[ファイルから追加]を使いますと、メモリの消費量は画像1〜2枚分で済む反面、画像にアクセスするたびに HDD にアクセスしてファイルをopen するという処理が発生するため、ファイルオープンに時間がかかるRAW 画像などの場合には特に時間がかかることになります。
[範囲外の値を除外]をオンにしますと、コンポジットする全画像について、同じ位置の画素の明るさを「串刺し」的に取得してソートしてから外れ値の画素を除いて加算を行なう、という処理が入ります。そのために時間がかかります。
[対策]
メモリが 2GB 搭載されている PC の場合、1200万画素クラスのRAW 画像でも約10枚は空きメモリ内に開くことができますので、コンポジット枚数がこれ以下であれば、[ファイルから追加]を使わず、全ての画像をあらかじめ作業領域に開いてからバッチコンポジットを行なった方が短時間で処理できます。
お使いの PC でメモリ内に何枚の画像を開くことができるかにつきましては、画像を処理するためのメモリはどれくらい必要か?をご参照ください。
合成前の各フレームに突発的なノイズなどが特に含まれていないことが明らかであれば、[範囲外の値を除外]をオフにしてコンポジットしていただいても合成後の画質には問題は出ませんので、基本的にはこのチェックボックスはオフにして合成されることをおすすめします。