フラットフレームの撮影方法は?
質問
フラットフレームを正しく撮影する方法は?
回答
フラットフレームを撮影する際には、以下の3つの点に注意してください。
●光源について (参考;マニュアルP.48)
- 光学系の筒先をディフューザーで覆い、均一な光源に向けて撮影してください。
- 光源としては、実際の夜空をライトフレームと同じ露光時間で撮る方法(スカイフラット)のほか、曇った夜空や薄明の空、ELシートを減光して使う方法など様々ありますが、 周辺減光などの状態をライトフレームと同じにするため、カメラの取り付け位置やピントも含めライトフレームと同じ条件の光学系で撮るということが大切です。
- ※デジタルカメラ、1ショットカラーCCDカメラの場合は、曇った夜空や薄明の空は色を帯びている可能性があるので光源にするには不適切です。
フラットフレームは、必ずニュートラルグレーである必要があります。特定の色に偏っているとフラット補正の結果も色を帯びてしまいます。 - ※モノクロ冷却CCDカメラでは、L/R/G/B 各フィルタごとのフラットフレームが必要です。
- 室内でフラット画像を撮影することもできますが、この場合も筒先の面内に均一に光が入る必要があります。
また、厳密には室内だと気温が高いため、露出時間を長くとるとフラット画像にダークノイズが載ってしまう可能性があります。より正確に補正するならば「フラット画像のダーク画像」も撮影しておき、ステライメージでダーク/フラット補正をする際に 「ダーク/フラット補正」ダイアログ内[□ フラットのダーク補正] をオンにして補正する、といったことが必要になります。
●露出時間について
- 画面の明るさが白飛びしない程度の露出時間にします。
- 撮った画像のヒストグラムを見て、シャドウ側もハイライト側もヒストグラムの山の裾が切れないくらいの時間にしてください。よって、人工の光源を使う場合にはライトフレームよりもかなり短い露出時間になるかと思います。
●合成について
フラットフレームは複数枚を撮像し、以下の手順でコンポジットします。
- 撮像したフラットフレームを開きます。
※デジタルカメラ、1ショットカラーCCDカメラの場合は必ずベイヤー配列で開きます。 - [バッチ]メニューから[コンポジット...]を選び、「コンポジット:バッチ」ダイアログを開きます。
※ここでは、「位置合わせ」は行いません。 - 「コンポジット」の「方法:加算平均(σクリッピング)」、「ピクセル補間:バイリニア」、「しきい値:1.1」とします。
特に理由がなければ、カメラの種類にかかわらずこの設定にしてください。
設定ができたら[コンポジット実行]ボタンをクリックします。 - コンポジットが完了したら[閉じる]ボタンを押して、[コンポジット:バッチ]ダイアログを閉じます。
- FITS形式で実数32ビットの画像ファイルとして、名前を付けて保存しておきます。